ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

フットサルお悩み相談~Q&A~2017.12.8その2

12/8(金)にアップしました、
「フットサルのお悩み相談」のその2です。

前回、その1では
「アスリートとして、妥協せずに
トレーニングしたい場合の
トレーニングメニュー」
を一週間のスケジュールで
組んでみました。

今回はその2ということで、
心身ともに負荷を軽くしたケースで
組んだ一週間のトレーニング
スケジュールになります。


<フットサルお悩み相談Q&A:ご質問内容>

はじめまして。
急なご相談で申し訳ないのですが、
私は24歳大学生で都道府県リーグの
フットサルチームとソーシャルフットボール
の選手をしています。
自分はとにかく体力がないので、そこを自主トレで
上げていきたいと考えてるんですけど、
どんなトレーニングがありますか?
自分の課題は持久力ですね。
瞬発力もそないないです。

一週間のスケジュールは、
月曜:オフ
火曜:午前筋トレ
水曜:21〜23練習
木曜:オフor練習18〜21
金曜:オフor練習
土曜:練習orリーグ戦
日曜:オフ
です。

男性Kさんより

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
<回答>

【パターン1】
●水~土曜日まで活動が続く場合
月)オフ: 
柔軟ストレッチ、体幹トレ、
3km程度のランニング
もしくは7分間走(ミドルパワー)
火)オフ:
柔軟ストレッチ、筋トレ
※余裕があればプラスでアジリティ
水)練習:
柔軟ストレッチ、幹トレ
木)練習:
柔軟ストレッチ、体幹トレ
金)練習:
柔軟ストレッチ、体幹トレ
土)練習:
試合、柔軟ストレッチ
日)完全オフ:
柔軟ストレッチ

【パターン2】
●水・木曜日練習、金曜日オフの場合
月)オフ:
柔軟ストレッチ、体幹トレ
3km程度のランニング
もしくは7分間走(ミドルパワー)
火)オフ:
柔軟ストレッチ、筋トレ
※余裕があればプラスでアジリティ
水)練習:
柔軟ストレッチ、体幹トレ
木)練習:
柔軟ストレッチ、体幹トレ
金)オフ:
柔軟ストレッチ、体幹トレ、
アジリティ、ドリブル
土)練習:
試合、柔軟ストレッチ
日)完全オフ:
柔軟ストレッチ

【パターン3】
●水・金練習、木曜日オフの場合
月)オフ:
柔軟ストレッチ、体幹トレ、
3km程度のランニング
もしくは7分間走(ミドルパワー)
火)オフ:
柔軟ストレッチ、筋トレ
※余裕があればプラスでアジリティ
水)練習:
柔軟ストレッチ、体幹トレ
木)オフ:
柔軟ストレッチ、体幹トレ、
アジリティ、ドリブル
金)練習:
柔軟ストレッチ、体幹トレ
土)練習:
試合、柔軟ストレッチ
日)完全オフ:
柔軟ストレッチ

【パターン4】
●木・金二日連続でオフの場合
月)オフ:
柔軟ストレッチ、体幹トレ、
3km程度のランニング
もしくは7分間走(ミドルパワー)
火)オフ:
柔軟ストレッチ、筋トレ
※余裕があればプラスでアジリティ
水)練習:
柔軟ストレッチ、体幹トレ
木)オフ:
柔軟ストレッチ、幹トレ、
ジリティorドリブル
金)オフ:
柔軟ストレッチ、幹トレ、
ジリティorドリブル
※木曜日に行わなかった種目
土)練習:
試合、軟ストレッチ
日)完全オフ:
柔軟ストレッチ

身体の柔軟性は中学生以降、
自然に柔軟性が身につくことは
ありません。
よって、競技としてスポーツに
取り組むような場合には
パフォーマンスの向上
及び怪我防止のために
オフ日・練習日・試合日、
関係なく毎日念入りに
ストレッチを行います。

ストレッチは一つの種目につき
15秒以上かけて
ゆっくり念入りに行い、
種目は下半身と上半身ともに
10種目程度は行うべきと
思います。

体幹トレーニングは
行うことで新陳代謝が
活発になりますので、
筋トレとは別に
体幹トレーニングも
毎日行うべきと思います。

体幹トレーニングは
必死になって行うというよりも、
毎日のコンディション調整
程度に取り組むだけで
十分効果があります。

オールコートプレス(前プレ)でボールを奪う

世間一般で「前プレ」と言われるディフェンス。

前プレとはどのようなディフェンスのことを言うのでしょうか。

 

多くのチームが犯しやすいミスは、

「前プレ=ボールを相手陣内で奪う」と

勘違いしてしまうことです。

相手陣内からプレッシャーをかけるのは、

確かに前線でボールを奪いたいからです。

しかし、あくまで「奪いたい」程度の気持ちであって、

何が何でもそこで奪う!

というものではありません。

 

相手陣内からプレッシャーをかける方法は、

次のパスがどこに出るのかを全員が予測し、

連動して寄せて行くプレーが求められます。

(※注:ハーフウェーラインから守るなら

必要ないということではありません。

ボールを奪うディフェンスは前プレだろうと

ハーフウェーラインからだろうと、

「予測→寄せる」技術は必須です。)

 

前プレは、GKのゴールクリアランスから

すぐに奪いに行くことはしません。

GKにはわざと一番近くの選手にパスを出させ、

その選手には縦パスを出させないように

プレッシャーをかけます。

 

縦パスが出せないとパスの選択肢は

横か真ん中だけになります。

逆サイドの選手が絞ることで

真ん中のパスコースはなくなります。

真ん中のパスコースが無くなれば

パスコースは横しかありませんので、

その横パスを予測してプレッシャーをかけます。

 

もちろん縦のパスコースを切った上で

プレッシャーをかけます。

このプレーを続けることで

相手チームの選手のパスがずれたり

トラップミスが起きます。

パスがずれた時に奪いに行く、

横パスが弱い時に奪いに行く、

トラップミスした時に奪い行く、

苦し紛れのパスを出した所を奪いに行く、

これが相手陣内からプレッシャーを

かけてマイボールにするディフェンスの方法です。

 

狙い所はPIVOへのパス、もしくは

ALAへの並行に出される横パスでしょうか。

 

いつどこでボールを奪うのか

という意図を全員で共有し、

なおかつ連動してプレッシャーを

かけ続けられればとても楽しい

ディフェンスと言えます。

 

私は交代人数がいないチームでも

常にオールコートプレスでした。

 

オールコートプレスをするチームの試合は

見ていて面白い!それが理由です。

 

ハーフウェーラインまで

引いて守るチーム同士の試合は

面白くありません。

ボールウォッチャーになってはいけない理由

先日、サッカー日本代表のE-1選手権という大会があり、

サッカー日本代表は北朝鮮・中国・韓国と試合を行いました。

 

そのE-1選手権の最終試合、韓国戦で4失点したのですが、

試合中多く見られたプレーがボールウォッチャーでした。

 

ボールウォッチャーとはその名の通り

「ボールを見てしまう人」を指します。

サッカー選手が守備時に最もやってはいけない

プレーの一つです。

 

ボールウォッチャーがどうしてダメなのか?

それはマークするべき「人」を見失い、

裏を取られてしまうからです。

 

ボールを見てしまうとボールサイドに

身体を向けてしまうため、

相手選手が背後を走っていることに

気づきません。

この、背後を相手選手が走っていることに

気づいていないことが危険なのです。

 

裏を取られるということは即失点に繋がる

ことを意味します。

裏を取られるとDFラインを崩されるので

ピンチです。

正面であればGKと1対1の状況になってしまいます。

サイドであればえぐって折り返しのパスを出されたり、

深い位置からクロスを上げられてしまうので、

DFは戻りながらの守備をしなければならず、

危険な場面を作り出されてしまいます。

 

だから「ボールウォッチャー」に

なってはいけないのです。

 

改善する方法は一つです。

身体の向きと首の向きを調整すること。

ただこれだけで改善することが出来ます。

 

次回は具体的な改善方法とトレーニング方法について

書いてみたいと思います。

サッカーとフットサル、GKの違い

フットサルのGKはサッカーのGKとは

違う技術・能力が求められます。

もちろんサッカーと同じ技術も使用しますし、

必要とされます。

 

しかし、フットサルはサッカーよりも

至近距離でのシュートが多く、

1対1の場面が多いことから

フットサルにより特化した技術を

身に付ける必要があります。

 

フットサルではサッカーのGKよりも

弾く技術、

飛びつく技術よりも面を作ったまま

寝ないでシュートブロックする技術、

グラウンダーのシュートに対して

手で飛びつくのではなく、

足を伸ばしてシュートセーブする技術

などが求められます。

 

スローイングはサッカーのように

遠く飛ばす必要がないため、

肩ではなく肘と手首で投げます。

そしてボールを掴んで投げる

技術も求められます。

 

サッカーではGKをやっていなかった人が

フットサルではGKに転向することも沢山あります。

過去に元野球少年だった選手を二人

指導したことがありますが、

二人ともFリーグの下部組織に

入団出来る実力者になりました。

それらの人たちに共通して言えたことは、

股関節が柔らかく、身体全体に

柔軟性が備わっていたことです。

 

そして、基礎中の基礎と言えるような

地味な練習を毎回嫌な顔をせず、

真面目に取り組んでくれました。

 

これからフットサルに転向する

サッカーGKの方、

サッカーのGK経験無く

フットサルのGKを務める方には、

弾く技術とボールを掴んで投げる

スローイングの技術、

足を伸ばしてシュートセーブする技術、

そして身体の柔軟性を

身につけていただきたいです。

 

GKほど基礎練習の反復と

身体の柔軟性が求められる

ポジションはないということを

お伝えします。

GK(ゴレイロ)トレーニング 2017.12.5

2017年12月5日(火)に

GK(ゴレイロ)トレーニング

を行いました。

トレーニングメニューを公開

しますので、チーム練習や

自主トレの参考にしていただけたら

幸いです。

 

<股関節運動(ダイナミックストレッチ)1>

 あぐらをかくをように座り、

 両足の裏をくっつけて片手で足裏を掴み、

 足裏を掴んでいる腕の肘で同じ側の足

 (脛辺り)を押さえて動かないようにする。

 もう片方の手で反対側の膝を掴み、

 上下に大きく動かす。

 

<股関節運動(ダイナミックストレッチ)2>

 伸脚を行う姿勢で伸ばしている

 足の踵を地面につけ、爪先を上に向ける。

 伸ばしている足と同じ側の手で

 伸ばしている足の付け根を押さえ、

 逆足の屈伸運動とあわせて付け根に置

 いている手で足を上下に大きく動かす。

 

<股関節運動(ダイナミックストレッチ)3>

 伸脚を行う姿勢で伸ばしている足を寝かせて

 足の側面を地面につける。

 伸ばしている足と同じ側の手で

 伸ばしている足の付け根を押さえ、

 逆足の屈伸運動とあわせて付け根に

 置いている手で足を上下に大きく動かす。

 

<股関節運動(ダイナミックストレッチ)4>

 ランジウォークを行う姿勢で

 身体を前方に倒し、

 前足とは反対側の手を地面に付け、

 前足と同じ側の手で前足の踵を掴み、

 足裏を地面から離さないようにして

 股関節を大きく回す。

 右回し、左回しをそれぞれ10回ずつ。

 

<股関節運動(ダイナミックストレッチ)5>

 4と全く同じ姿勢で、股関節を

 上下に大きく動かす。

 お尻を上げ下ろしするように大きく動かす。

 

<股関節運動(ダイナミックストレッチ)6>

 4、5と全く同じ姿勢で、

 股関節を左右に大きく動かす。

 お尻を上げ下ろしするように

 大きく動かす。

 足裏を地面から離さないこと。

 股関節を大きく左右に動かす。

 

<テニスボールを使ってお手玉>

 一人3個テニスボールを持ってお手玉

 

<テニスボールを使って片手でキャッチボール>

 二人一組になって2m程度離れて向かい合う。

 お互い右手→右手、左手→左手で

 ボールをキャッチボール

 

<テニスボールを転がしてキャッチボール>

 二人一組になって2m程度離れて向かい合う。

 二人共膝立ちになり、4個のボールを

 時計回りに1個ずつスライドさせるように

 動かして行く。

※間接視野で4個のボールを同時に見る。

 

<テニスボールを使って足でブロック(1)>

 GKはゴールラインから一歩前に出た位置、

 コーチはPKマークでテニスボールを持って待機。

 コーチが左右交互にテニスボールを転がして行くので、

 GKは外に向かって足で弾く。

※試合中、正面に弾いたらこぼれ球を相手選手に拾われ

 シュートを打たれてしまう。

 また、弾く力が弱いと同様にセカンドボールを

 押し込まれてしまうので、

 セーブする際は強く弾き返すこと。

×3セット

 

<テニスボールを使って足でブロック(2)>

 GKはゴールラインから一歩前に出た位置、

 コーチはPKマークでフットサルボールを足で、

 手にテニスボールを持って待機。

 コーチとGKはフットサルボールを

 インサイドキックで1タッチのパス交換を

 繰り返す。

 パス交換を何回か繰り返している時に

 コーチはテニスボールを

 GKの左右どちらかに転がす。

 GKは転がされたテニスボールを

 足でセーブもしくはクリア。

 外に強く弾くこと。

 

<テニスボールを足でクリア(1)>

 GKはゴールラインから一歩前に

 出た位置に待機し、

 ゴールポストから2m程度離れた位置に

 テニスボールを配置する

 左右それぞれ1個ずつ配置。

 テニスボールを置く角度は

 ゴールポストから約15度ぐらい。

 コーチはPKマークでフットサルボールを

 足で押さえて待機する。

 コーチはGKにインサイドキックで

 グラウンダーのシュートを打ち、

 GKはしゃがんでブロックの姿勢で

 キャッチします。

 キャッチしたらしゃがんだまま両手で

 ボールをコーチに返す(速いボール)。

 コーチは返って来たボールをノートラップで

 浮き球のシュートを胸~顔辺りに蹴る。

 GKは浮き球のシュートを手で弾き、

 弾いたらすぐに左右どちらかのテニスボールを

 スライディングで外にクリアする。

※クリアする際は腿や股間辺りではなく、

 足に強く当てる。

 ×3セット(左右それぞれ3セットずつ)

 

<テニスボールを足でクリア(2)>

 コーチはペナルティエリアの

 ライン斜め45度の位置で

 ボールを足で押さえて待機。

 GKはボールとゴールの中心を結んだ線を

 基準に、半歩ニアに寄ったポジションを取る。

 そしてゴールラインから1m前に出る。

 サーバーがコーチとは反対サイドの

 ゴールポスト正面でテニスボールを

 持って待機する。

 コーチはGKにインサイドキックで

 グラウンダーのシュートを打ち、

 GKはしゃがんでブロックの姿勢で

 キャッチします。

 キャッチしたらしゃがんだまま両手で

 ボールをコーチに返す(速いボール)。

 コーチは返って来たボールをノートラップで

 浮き球のシュートを胸~顔辺りに蹴る。

 GKは浮き球のシュートを手で弾く。

 GKがシュートを弾いたら逆サイドにいる

 サーバーがテニスボールを転がす。

 GKはコーチのシュートを弾いたら

 即逆サイドに移動し、

 テニスボールを足でクリア

 (スライディング)する。

 ×3セット(左右それぞれ3セットずつ)

 

<フィジカルトレーニングを兼ねた足でのシュートセーブ>

 ゴールポストから外側にボールを3個、

 1m間隔で横に配置する。

 GKは3個のボールのうち一番外側の

 ボールの後ろに待機。

 コーチはPKマークでフットサルボールを

 足で押さえて待機。

 コーチの合図でスタート。

 GKは細かいステップでマーカーの

 間を前後ジグザグに素早く移動する。

 最後のマーカーを越えたら

 プレジャンプを入れる。

 コーチはGKが最後のマーカーを

 越えたらGKとは逆サイドに

 グラウンダーのシュートを打つ。

 GKは足でセーブもしくは

 スライディングでクリア。

 クリアは外に強く。

 ×6セット(左右3セットずつ)

 

以上です。

チーム練習や自主トレの参考にしていただけたら幸いです。

体育にフットサル反対?ミニサッカーに・・・

「体育にフットサル反対、ミニサッカーに」
という記事が出ました。

学校現場の負担が大きいことが理由のようです。

 

記事が出てから様々な反応がありましたし、

私自身フットサルを指導しているのでモヤモヤしています。

しかし、一番大事なことは、

「子どもたちにとって何が良いのか?」

ということではないでしょうか。

 

結局のところ、学習指導要領に「フットサル」と「ミニサッカー」

のどちらを明記するのか、という言葉(文字)にこだわっている人が、

必要以上にことを問題視してしまっている気がします。

 

おそらく、「フットサル」とすることを反対、

「ミニサッカー」とするべき、「ミニサッカー」を

体育でやるべき、と思っている方の多くが

フットサルの本質を理解されていないはず。

 

そして、

「フットサル反対、ミニサッカーにするとは何事か」


と感情的になってしまっている人も

フットサルかミニサッカーかという言葉に

振り回されてしまっているのではないでしょうか。

 

実際に体育の授業を受ける子どもには、

学習指導要領に記載されている言葉が

「フットサル」でも「ミニサッカー」でも、

どちらでも良いと思います。

プレーする本人にとってはどうでも良いことです。

なぜならば、10歳ぐらいの小学生が、

「フットサルならではのプレーはこうだ!」

「お前のプレーはフットサルじゃない」

なんて言いながら(感じながら)プレーは

しないでしょう。

 

恐らく、ボール技術に優れる子ども、

足が速い子どもが大活躍して終わると思います。

体格が小さい子ども、足が遅い子ども、

ボールを上手く扱えない子ども、

大人しい子どもや優しい女の子たちは

ボールに触ることも出来ず、ただ傍観者として

体育の授業を終えるのではないでしょうか。

 

フットサル、ミニサッカーという言葉は

本当にどうでも良いと思います。

 

学校の体育で行うボール競技は

完全にエンジョイで良いと思います。

その中でルールを守ること、

協調性を身に付け仲間と共に目標を達成すること、

その競技の楽しさを知ってもらうこと、

コーディネーション能力を身に付けること、

を付加価値として取り組んで行けば

良いと私は思います。

 

体育が嫌いな子どもは大勢います。

身体を動かすこと自体、好きではない

子どももいます。

そのような環境で、学校の体育で

サッカーエリートを育てることはできないし、

指導の専門家ではない学校の教師が

複雑なクラス編成の中でちゃんとした

サッカーの指導を行うことは難しいです。

プロでも難しい。

 

だからこそ、体育の授業は前述したエンジョイメイン、

+付加価値で4項目で良いと思います。

学習指導要領に書かれている言葉は

「フットサル」「ミニサッカー」

どちらも良いです。

 

しかし、一つだけ譲れないことがあります。

それは、狭いコートで少人数でプレーすることです。

少人数であれば全員がボールに触る機会があります。

ボールに全く触らないで授業が終わることがなくなります。

狭ければ混戦になるため、多少ボール扱いが上手くても

一人で全てやって大活躍することは難しくなります。

もし、あまりサッカーが得意ではない子どもが

サッカーが得意だと言われている子どもから

ボールを奪うことが出来たら自信になりますし、

周りの見る目も変わります。

 

これは狭いコートで少人数だから可能なことです。

大きなコートでプレーしていたらスペースに

足の速い子どもがボールを運んで終わってしまいます。

面白くないです。

 

誰もが楽しめ、コートにいる全員が楽しめる、

それが少人数制の良いところです。

小学生年代では「狭いコート」と

「少人数でのプレー」に拘ってもらいたいです。

 

さて、ここから余談になります。

 

私がブラジルで学んだことは、

ブラジル人にとってサッカーとフットサルに

対して思い入れはないということです。

どちらもフットボールです。

 

「今日は外か?それとも中か?」

ブラジル人にとってサッカーとフットサルという

言葉遊びはありません。

ボールを足で扱う競技は全てフットボール。

外でプレーするものがフッチボウヂカンポ(芝のフットボール)。

室内がフッチボウヂサロン(室内のフットボール)。

 

ようするに、外でやればそれは外のフットボールで、

室内でやれば室内のフットボールということです。

外でプレーすれば5人対5人でもサッカー。

室内でプレーすれば11人対11人でもフットサル。

スパイクでも足裏で上手くプレーするブラジル人。

体育館でも足裏を一切使わずに超絶上手いブラジル人。

今の自分の指導の基礎はブラジルにあります。

プレースピードを速くする

競技チーム・エンジョイチーム問わず、

チームメイトから「判断を早くしろ ! 」

「遅い ! (プレーが) 」と

言われてしまう選手がいます。

それは何に原因があるのでしょうか ?

 

フットボールは団体競技なので、

数的不利な状況ではボール保持者1人で

プレースピードを速くするには限界があります。

パスコースが消されてしまっていたり、

味方がフォローのために動き直してくれない、

というような場合はボール保持者1人で

「判断を早くする」「プレーを速くする」

のはとても難しいです。

 

よって、前述のセリフを言われる場合の多くは、

味方がフォローに来ていたり、

パスコースがいくつかあったり、

ドリブルするスペースがある、

シュートコースが空いている、

という状況にあるはずです。

 

・パスコースがある

・ドリブルするスペースがある

・シュートコースが空いている

にも関わらず、プレーが遅いのはなぜでしょうか ?

 

【原因】

(1)試合経験が不足している

(2)視野が狭い

※下を向いている、ボールばかり見ている

(3)技術が不足している

(4)チームメイトに遠慮している ※萎縮している

 

その原因はこれらにあると言えます。

原因がわかっている以上は改善することは可能です。

原因を踏まえて、判断を早くするために

個人がやれることは、

 

(1)個人練習

パス・ファーストタッチ・ドリブルなどの基本技術習得

(2)チーム練習

体の向きを強制する。

ピッチの全体が見渡せる体の向きを意識する。

(3)フットサルの勉強

シチュエーションごとに求められるプレーの知識習得

(4)チーム練習

チームメイトのプレースタイルを把握する。

(5)チーム練習及び練習外

チームメイトと仲良くなる。

(6)チーム練習及び練習試合

沢山プレーする。対人プレーの経験を積む。

(7)チーム練習

パスをもらう前に首を振って、周りを見る。

※ボールを持っていない時、常に周りを見るようにする。

自分以外の味方と敵の位置確認。

 

このようなことを行うことでプレースピードは

改善させていくことが可能になります。

 

ボールを保持している選手に対して、

ボールを持たない選手が数的優位を作ったり、

何度も動き直すことでパスコースは増えます。

 

パスコースが増えればその分、

ボール保持者は迷うことが少なくなり、

パスやドリブル、シュートというプレーを

状況に応じて素早く選択することが出来ます。

 

しかし、いくら選択肢が増えても、

瞬時に最適なプレーを選択することが出来ても、

究極のところそのプレーを繰り出す

技術がなければ、本末転倒です。

 

最適なプレーを瞬時に判断することと、

それらを可能にするための個人スキルの向上などを目的に、

技術練習とフットサルの勉強を個人で

行っていかなければいけません。

 

プレースピードを速くして自分が周りを

引っ張って行けるようになれれば、

よりフットボール(フットサル)が

楽しいスポーツだと思えるようになります。

 

フットサルをより楽しむための

手助けができたら、幸いです。