ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

06,11/25(土)開催!【テーマ:チームとしてのディフェンス】

06,11/25(土)は【守る!】という事に焦点を当てた講習会という事で、

【チームとしてのディフェンス】をテーマに行いました。

今までに沢山いろいろな質問を受けて来ましたが、

ディフェンスに関する質問の多くは、

・「声の出し方がわからない」

・「なんて言えば良いのかわからない」

・「マークの受け渡しってどうやるの?」

・「マーク受け渡しのタイミングがわからない」

といったものでした。他にもまだありますが・・・

それらの事をシステムにとらわれずに、チームとしての

守り方をお伝えしました。

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☆アップ:

・参加者12名に対してボールを5つ使い、コート全体で動きながらの

 パス交換。

・パスを出すのは全て利き足ですが、味方の右足に出すか左足に出すかを

 コーチが指示し、その指示通りの場所へパスを出す。

・慣れてきたらトラップする場所もコーチが指示を出す。最初は右足の

 インサイド、次は左足のインサイドでトラップ。

 続いて右足の足裏、左足の足裏でトラップと動きながら様々な部位での

 トラップ技術を身につけながらのアップです。

☆ストレッチ

・寒い冬は最低でも15分かけてゆっくり、しっかりと体を伸ばし、そして

 ほぐします。

☆ディフェンスの基本姿勢

・試合中むやみにボールを奪いに行っても簡単にかわされてしまいます。

 ディフェンスは基本的に一人でするものでなくて、自分の後ろの選手たち

 が奪いやすくするようにします。そのため基本姿勢は【半身】となります。

 ボールを保持している選手を基準に、右側のパスコースを消す場合は

 ボールを保持している選手の右側に立ち、【半身の姿勢】をとります。

 (右足で右側のパスコースを消すようにし、左足は逆への動きや後ろへの

 動きに対応するため、体を開くように後ろに置きます。その際、両足は

 肩幅よりも1.5倍程度に開き、腰は地面に手がつくぐらい落とします。

 そして、足は踵を挙げて細かいステップ(すり足のように)を常に

 踏んで素早く動けるようにしておきます。)

 左側のパスコースを消したい場合は上記の逆となります。

・半身の姿勢を取るのは後ろの選手にボールを取らせるためだけでは

 ありません。

 敵と1対1のシチュエーションで、中途半端な位置に立ってしまうと

 中にもサイドラインにもドリブルされてしまいます。

 1対1のシチュエーションのディフェンスも基本姿勢は【半身】に

 なります。

 【半身の姿勢】を取る事により、ドリブルされるコースを限定させる事

 が出来、自分に有利な状況を作り出せます。

 オフェンス側のボール保持者にとって、中にドリブルすればゴールの

 正面に行けるのでシュートを決めやすくなります。

 ですが、サイドライン際を縦にドリブルすればするほど、ゴールとの

 角度が狭くなりおのずとシュートコースが狭まり得点しにくくなります。

 その事もあり、ディフェンスは常に【コートの中側に行かせない】ように

 【半身】の姿勢で対処します。

 自分にとって左サイドで1対1になった場合、ボールを保持している

 オフェンスの選手を基準に考えると、ゼッタイにコートの中へ行かれて

 はいけないので、オフェンスの選手の右側に立ち、右足でコート中側の

 ドリブルコースを消し、左足はサイドラインを縦にドリブルされた場合

 に備えて体を開くように後ろに置きます。その際、両足は肩幅よりも

 1.5倍程度に開き、腰は地面に手がつくぐらい落とします。

 そして、足は踵を挙げて細かいステップ(すり足のように)を常に

 踏んで素早く動けるようにしておきます。)

※パスコースやドリブルコースを限定するように半身で対応する事を

 フットボールの専門用語で【ワンサイドカット】と言います。

☆予測するディフェンス練習:ワンサイドカットを覚える~3対1~

・4人1組を作り、オフェンス役3人が一辺3m程度の三角形を作り、

 ディフェンス役はその中に入る。

・オフェンス役3人でボールを1個持ち、ディフェンスにボールを奪われ

 ないようにパスを回す。

・ディフェンス役は常に半身の姿勢をとり、ボール保持者に対して左右

 どちらか片方のパスコースを消し、パスを出させるサイドを限定する。

 パスをどちらに出させるか限定させる事で、次にパスが出る場所が

 わかるので予測して奪いに行くようにする。

 ディフェンス役は常に全力のプレーを心がける。

 試合中、ディフェンスに回った時は手を抜ける時間は一切無いからです。

☆声出し=指示出しの練習~3対2~

・5人1組を作って3人がオフェンス(右ALA・FIXO・左ALA)、

 2人がディフェンス役に分かれる。

・オフェンスは試合中に菱形で攻めてるイメージで、両サイドALAと

 FIXOの位置関係を作る。

・ディフェンスは横並びになると2人の真ん中をスルーパスを通されて

 しまうので、常に縦並びのポジショニングを心がける。

 ここでは縦並びになってるディフェンス2人を、前の選手をディフェンスA、

 後ろのディフェンス選手をディフェンスBと呼びます。

・あくまでディフェンス練習なので、オフェンス側はそんなに広がらず

 (ALAとFIXOが5mぐらいの距離)、ボールは手で扱います。

 ディフェンス側が声出し、指示出しに慣れるためなので、わざとゆっくり

 下手投げでボールを回していきます。

・まずボールはFIXOが持ちます。それに対して縦並びになった

 ディフェンス2人うち、ディフェンスAがFIXOのパスコースを右か

 左に限定しなければいけません。

 それを決定するのは【後ろのディフェンス選手】です。

 ディフェンスBがボールを奪いやすい方へ誘導する必要があるため、

 右側にパスを出させた方がボールを奪いやすいなら、ディフェンスA

 に「左から行け!」「左を消せ!」「左を切れ!」と指示を出さなくては

 いけません。

 「左から行け!」「左を消せ!」「左を切れ!」なんでも良いですが、

 わかりやすく大きな声でディフェンスAに指示を出す事によって、

 相手FIXOが右側にしかパスを出せなくなります。

 という事はディフェンスBはあらかじめ、右側にパスが出ると予測出来る

 ので、そこにパスが出るところを奪いにいきます。

・ただし、そこでボールを奪うのは100%ボールを奪えるという自身が

 ある時だけです。何も考えずに、予測出来たからといってやみくもに

 一発で飛び込んではオフェンスにかわされてピンチを招きます。

 もし、自分が行くのが遅かったりFIXOのパスが速かったらボールを

 奪おうとせず、再度FIXOにパスを戻させるようにすれば十分です。

 右ALAが前にドリブルやパスを出せずにFIXOにパスを戻すという

 事は、ボールを前に運んでいない=攻められてないという事になります。

 ディフェンスはボールを奪うだけがディフェンスではありません。

・次に、ディフェンスの連動の話です。

・ディフェンスAがFIXOの左のパスコースを消し、右にパスを出させ

 ました。そして右に出たボールをディフェンスBが予測してプレスを

 かけにいったら、必ずディフェンスAは後ろに下がらなくてはいけません。

 FIXOがパスを右に出した時点で、そこにいる必要は無くなります。

 ですからディフェンスAが次に取る行動はディフェンスBのフォロー

 なので、元はディフェンスBがいた場所まで下がります。

 そうする事によって、最悪ディフェンスBが抜かれてもフォローに行けます。

・次に、ディフェンスの連動の連動(常に守る時は連動したまま)、応用です。

・上記シチュエーションで、ディフェンスAがFIXOの左のパスコースを

 消し、右にパスを出させました。そして右に出たボールをディフェンスB

 が予測してプレスをかけに行き、ディフェンスAが後ろに下がったあとの話です。

・ディフェンスBが相手ALAにプレスをかけたが、相手ALAがFIXO

 にパスを戻した場合、ディフェンスAが今度は指示を出さなくてはいけません。

 ディフェンスBがそのままボールを追いかけてプレスをかけ続けるのか、

 それとも自分(ディフェンスA)が代わってFIXOにプレスをかけるのか。です。

・基本的にディフェンスは【つるべの動き】になります。ボールに近い選手

 がプレスをかけるのが基本ですので、FIXOにパスを戻された時点で、

 今度はディフェンスAがプレスをかけにいく番となります。

 そうなったら当然ディフェンスBは後ろに下がらなくてはいけません。 

 そして再度ディフェンスAがパスコースを限定し、後ろにいるディフェンスB

 が予測し、そこへプレスをかけ、パスコースを限定させたディフェンスA

 は後ろに下がる事になります。

・ディフェンスの連動は常に【つるべの動き】の繰り返しになります。

☆声出し=指示出しの練習~3対2~:応用

・上記練習を実際にオフェンス側が足でボールを扱います。

・ALAは相手ディフェンスの対応(プレス)が遅かったらドリブルで勝負し

 シュートを狙う。

・FIXOはディフェンス2人が横並びになったら、ALAにスルーパスを出すか

 直接シュートを狙う。

・これらの事を行う事で、実際のゲームを意識しながらの練習になる。

※上記3対2の練習はカウンターを意識してのポジショニングとなります。

 あくまで今回はディフェンスが連動する事の基本と、本当に基本的な

 指示の出し方を練習したかったのでカウンター(数的不利なシチュエーション)

 での練習方法をとりました。誤解の無いようお願い致します。

☆ゲーム

・自分勝手にボールを奪おうとしたりせずに、常にゲーム中はゴレイロ

 含めた5人でボールを奪う事を考える。

・おのずと口が閉じる事は無い。

・試合中、笛が鳴るまで声は出続けているのが常識です。

以上

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今回の講習会ではまずはディフェンスをする際の基本姿勢から始め、

3対1・3対2と移行し全てゲーム形式で実戦を想定しながらの練習を

行い、身に付けていっていただきました。

当日のテーマを締めくくるゲームでは、みなさん本当にしっかりと意図の

ある【声出し・指示出し】が出来るようになぁつていました。

また、4人が連動してチームとしてボールを奪えるように意識出来た事が

素晴らしかったです。