ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

07,9/29 超初心者対象講習会【ショートパスにこだわる!第2弾】レポート

07,9/29に超初心者対象講習会【テーマ:ショートパスにこだわる!】

の第2弾を開催致しました。

トレーニング内容を公開しますので、ご覧下さい。

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☆アップ

・2人1組になり、軽くインサイドキックでパス交換をしながらジョグ。

・前足でのパス交換(左右両サイド)

・後ろ足でトラップ後、足裏でボールを転がして前足でパス(左右両サイド)

・エイトの動きでの軽いパス交換

☆ストレッチ

☆インサイドキック練習(1)

・2人1組になり、2m程度の近距離で軽くパス交換。

・正しいフォームを身に付けるためなので力は入れず、1球1球丁寧に

 フォームを確認しながらボールを蹴る。

☆インサイドキック練習(2)

・上記と全く同じ内容をノートラップで行う。

・ノートラップで来たボールを返すため、力加減がとても大事。

 強く蹴り返してしまうと、たった2mの近い距離のためパートナーが

 ボールをノートラップで返せなくなってしまう。

 逆に、軽く蹴った場合はボールの威力に足首が負けてしまって、

 しっかりしたボールをパートナーに返せない。

 だから、フォーム全体としては力を抜いた状態で、

 足首にボールが当たる瞬間だけ踝に力を入れてボールを押し返すように

 パスを出す。

 蹴るのではなく、押し返す!ようにプレーするのがポイント。

☆動きながらのインサイドキック練習(1)

・マーカーコーンを2m間隔で10個程度配置。

・2人1組になり、コーンの間をインサイドキックで通しながら

 パス交換をする。

 強く蹴ってしまうとボールのスピードが速くなりすぎてあわせられないので、

 相手の位置と相手が蹴りやすい場所を意識して、軽くインサイドで

 ボールをプッシュするようにパスを出す。

・ノートラップでパス交換。

・力加減が大事。力加減を自分でコントロール出来るようにする。

 踝に当たらないと相手が取りにくいパスになってしまうので、

 正しいフォームで軽く相手にパスを出す。

・左右両サイド行う。

☆動きながらのインサイドキック練習(1)

・マーカーコーンを4m間隔で10個程度配置。

・2人1組になり、コーンの間をインサイドキックで通しながら

 パス交換をする。

・コーンとコーンの間隔が広いので、ボールをどのように通したらスムーズに

 パス交換出来るか、イメージする事!

 コーンの間を通るボールの通り道は最短距離をイメージする。

・軽いジョギング程度のスピードで行う。

・左右両サイド行う。

☆パス練習(1)

・3人1組を作り、左右ALAとFIXOに分かれる。

 FIXOがボールを保持した状態でスタート。

・FIXOは右(左)ALAにパスを出す。パスは右(左)ALAの左足(右足)に出す。

 FIXOは右から来たパスを右足でトラップし、真横(左足で蹴りやすい位置に)

 にボールを転がして左足で左ALAにパスを出す。

 2タッチでスムーズにプレーする。

・左ALAは右足でノートラップでFIXOにパスを返す。

・FIXOは左足でトラップし、真横(右足で蹴りやすい位置に)にボールを

 転がして右足で右ALAにパスを出す。

※ポイント(1)

・ALAの前にはディフェンスがいる事を想定して、常に後ろ足でプレー。

 ALAは後ろ足でノートラップでFIXOに返す。

※ポイント(2)

・試合中、FIXOの前にもディフェンスはいます。その事を意識して、

 なるべくボールを体から前に置かない。

 ボールは横にスライドさせるように転がす。そして、体の向きに気をつける。

 体の向きは常に攻めるゴールを向く。ALAの方を向いてしまうと

 体が横を向く事になるので、パス交換がスムーズに出来なくなってしまう。

☆パス練習(2)

・マーカーコーン(4個)で菱形を作る。

・各マーカーにそれぞれ並ぶ。

・先頭の選手がプレー。

・パスを右回りで回す場合は右足でトラップ→左足でパス、となる。

 2タッチでスムーズにパスを回していく。

 右足でトラップ後、足裏でボールを左足で蹴りやすい位置に転がす。

 そして即左足でパスを出す。

・パスを出した選手はパスを出した方向へ走り、列の最後尾に並ぶ。

・左回りの場合は左足トラップ→右足パス。

※ポイント

・このパス練習も体の向きに気をつける。

 パスをもらう際に体をパスの出し手の方に向けてしまうと、

 次にパスを出すのが難しくなる。

 体の向き全体を返す必要が出てくるので、時間がかかってしまう。

 だから、体の向きは常に自分以外の3人が見えるようにする。

☆状況判断を磨くトレーニング

・5人1組で五角形になる。ボールを2個使う。

・5人それぞれニックネームを覚える。

・ボール保持者はパスの受け手に、次にパスを出す人を指名する。

 パスの受け手はパスの出し手が呼んだ名前の人にパスを出す。

・2個のボールが同じ人にいかないようにする。全員の位置と2個の

 ボールの位置を把握する事。

 しっかりと顔を上げてプレーする。

・名前を呼ぶ時は大きな声ではっきりと。

☆状況判断を磨くトレーニング+様々な角度へのパス練習

・5人1組になり、4人で菱形を作ってその中に1人入る。

 菱形の中にいる1人がメインプレーヤーとしてボールを1個保持する。

・菱形の4人はボールを持っているメインプレーヤーの体の向きに対して、

 【前・左・右・後】と指示を出す。

 メインプレーヤーは自分の体の向きに対して、周りから言われた声の

 場所へ向きを変えてパスをしっかりと出す。

 パスを受けた選手はメインプレーヤーへパスを返す。

・慣れてきたら指示の声を早くする。

・メインプレーヤーは指示の声に対して焦らずに、まずはボールを

 蹴りやすい位置に動かしてから正しいフォームでしっかりとパスを出す。

 焦って蹴りにくい位置で無理やりパスを出したり、インフロントや

 爪先等で雑なパスを出さない事。

・更に慣れてきたら、指示の声に【スルー】【ワンツー】などを加えると

 より負荷がかかってレベルアップ出来る。

☆動きながらのパス回し

・4人1組になり、旋回しながらのパス交換。

・左ALAのボール保持からスタート。

 左ALAがコート中央にドリブルするのが合図で、全員が左回りに旋回する。

 コート中央へドリブルした選手は右ALAにパスを出す。

 (進行方向なのでドリブルから止まらずにそのまま右ALAへパス。)

 パスを受けた右ALAは再度FIXOにパス。

 リターンパスを受けたFIXOは左ALAにパス。

 FIXOはパスを出したら右サイドへ走る。

 右ALA、PIVOはFIXOがパスを出すと同時に左回りに旋回して

 ポジションチェンジする。

 パスを受けた左ALAはコート中央へドリブル。そして右ALAへパス。

 この繰り返し。

・動きながらのパス交換なので、止まった状態でプレーしていた時よりも

 非常に難しいプレーになる。

・速くプレーする必要は無いので、トラップとパスをミスしないように

 精度にこだわってプレーする。

☆パス回しからの崩し

・左回りで旋回しながら相手ディフェンスを崩します。

・左ALAがボールを持ったら右ALAがコート中央へ寄ってきます。(下りる動き)

 そこへ左ALAはくさびのパスを入れます。

 パスを出すと同時に左ALAはFIXOの位置へ動き、FIXOは右サイドの裏にある

 右コーナーアーク付近へ一気に走り出します。

 くさびのパスを受けた右ALAはFIXOの位置に入った元左ALAにリターンパス

 を出します。そして元左ALAはFIXOの位置から右裏に走った選手に

 浮き球のロングボールを蹴ります。

 PIVOはファーポストへ詰めます。

※ポイント

・お互いの動きや歩幅を見て、どの位置にどのスピードでパスを出したら

 味方が次のプレーに移りやすいかを判断し、適したパスを出す事が

 出来ないとパスで相手ディフェンスを崩すのが難しい。

 途中でパスミスをしてしまうとカウンターを受けてしまうので、

 非常に苦しくなってきます。

 パスは味方の状況を見る事が必須です。

☆ランダムパス

・受講者全員でフルコート動き回りながらのパス交換。

 ボールはプレーヤーの半分程度。

・右足→右足でのパス交換。

・左足→左足でのパス交換。

※ポイント

・常に動きながらのプレーになるので、ドリブルという要素が加わります。

・パスを出す瞬間にドリブルからパスまでの流れをスムーズに行う事。

・ドリブル進行方向とは違う角度からパスを要求された場合、そのままの

 状態で体が違う方向を向いたままパスを出さない!

 しっかりとパスを出す味方に対して体の正面を向ける。

 そして正しいフォームでインサイドキックでパスを出す。

・パスの強弱はパス交換する相手との距離を考えて調節する事。

☆パスゲーム

・受講者全員で大きな輪(オフェンス)を作り、フルコートいっぱい広がる。

・ボールは2個使用。

・ディフェンス役を3人用意し、オフェンスが自由にパスを回す。

 ディフェンス役はパスを奪う。パスカットしたら取られた人と交代。

※ポイント

・ディフェンス役を作る事によって、実際の試合と同じプレッシャーのある

 場面でのパス交換というシチュエーションになる。

・オフェンスはディフェンスのプレッシャーに負けないよう、冷静に対処。

 トラップしてからパスなのか、それともノートラップなのか、

 ディフェンスの寄せて来るスピードと距離を考えて最適なパスを選択する。

・体の向きが最重要!横を向いてしまうと一方にしかパスが出せないので、

 ディフェンスにパスコースを読まれてしまう。

 だから、体の向きは常にオフェンス陣が形成する輪の中(正面)を向く。

 そうする事によって右にも左にも、また正面にもパスが出せるようになる。

 パスコースの選択肢を広げる。

 パス練習(1)と(2)の応用。

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以上がトレーニングメニューになります。

今回はショートパスに焦点を当てたトレーニングを行いましたが、

一番大事な事は【ゆっくり確実に】という事です。

基礎技術が身につかないうちにプレースピードを上げてしまうと

ミスが多くなります。

トラップする前から次のプレーの事を考えていたら、トラップミスを

してしまいます。

技術が身につくまで、トラップからパスまでの流れがスムーズに出来る

ようになるまでは一つ一つのプレーをゆっくりやる事で経験が積めて、

のちのレベルアップに繋がります。

まずトラップし、顔を上げ、味方の位置を確認し、体の向きを変え、

そして正しいフォームでしっかりとインステップキックでパスを出す。

フットサルを始めて間もない初級の方は【ミスをしない】という事を

意識してトレーニングするべきだと思います。

いきなりプレースピードを速くしてしまうとミスが多く技術が身につく

どころでは無くなってしまいます。

ミスする事で気持ちも落ちていき、やる気も減少して行ってしまいます。

ですから、プレースピードは少しずつ上げていきましょう。

スポーツは何事も一朝一夕にはいきません。

いきなり中・上級者と同様のプレーをしようと思っても、

基礎技術が身についていないうちは同レベルのプレーは難しいです。

まずは自身のレベルにあったプレースピードでトレーニングし、

段階を踏んでレベルアップを目指す事をおすすめします。

そしてもう一つ。

フットサルの練習ので2人1組で向かい合って、対面でのパス交換

を取り入れているチームがよくあります。

これははっきりいってレベルアップしない練習なので、目的にあった練習を

行うようにして下さい。

対面でのパス交換は【フォームを確認する】【集中力を高める】

【パスの精度を上げる】ためのトレーニングには最適です。

ですが、試合で活躍するために必要な技術を身に付けられるかどうかと

言われれば、答えはノーです。

実際の試合をイメージしてもらえばわかりますが、

試合には常に対戦相手という敵が存在します。

その敵がわざわざ正面の味方にフリーでパスを出させてくれるでしょうか?

マークがぴったりとついていて、パスが出せないと思います。

また、試合中はパスを正面かもらう事などほとんどありません。

一番多くもらうのは横からのパスです。

更にその後に縦パスを出すならば、体の向きも変えなくてはいけません。

もしくは体の向きを変えずに、横を向いたまま縦パスを出さなくてはいけません。

というように、実際に試合では対面の選手とのパス交換は無いに等しいです。

上記トレーニングのパス練習(1)(2)のような状況が非常に多いです。

ですからなるべくチーム練習では試合を想定した、目的にあったトレーニング

を取り入れるようにしてみて下さい。

【フォームを確認する】【集中力を高める】【パスの精度を上げる】

のトレーニングをしたい場合は対面でのパス交換が最適だと思いますが、

何十分もやる必要はありません。

短い時間で集中してやるトレーニングです。

そうしないと飽きてしまうので、効率が悪くなってしまいます。

繰り返しになりますが、そのトレーニングは何が目的なのか?

何を目的としたトレーニングをしたいのかを考えて一日のトレーニング

メニューを組むと効率良くレベルアップ出来ると思います。

そのために当講習会を参考にしていただけたら幸いです。