ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

07,10/13(土)チームクリニック・レポート

07,10/13に開催したチームクリニックのレポートになります。

受講チームは大学のエンジョイフットサルサークルチームです。

 

チームから「普段の練習メニューとして導入できるもの、そしてエイトの

動きなどフットサル特有の動きや戦術を身につけたい」との

要望があり、下記内容になりました。

 

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☆アップ

・ハーフコートを使ってのランダムパス交換。

 人数の半分ぐらいのボールを使って、常に動きながらボール保持者と

 ボールを持っていない人でパスを交換する。

 右足→右足、左足→左足というように条件付けをする。

・パス交換は声だけでなく、しっかりとアイコンタクトを行う。

 お互いに目が合うからこそパス交換は成立する。

・パスを出す際は体の向きに気をつける。

 正しいフォームで蹴れるように、まずはパスを出したい相手を向く。

 そしてインサイドキックでしっかりとパスを出す。

 

・ドリブル+パス&トラップ

 2人1組でボール1個。ボールを持っていない側(A)が後ろに

 ジョグで下がり、そこにもう一人(B)がパスを出す。

 Aは後ろに下がりながら足裏でトラップし、その場に止めずにトラップで

 ボールを前に押し出す。

 トラップでボールを前に押し出すと同時にドリブル開始。

 パスを出したBは後ろにジョグで下がるので、Aはコート中央までドリブルし、

 Bが後ろにジョグしている最中にパスを出す。

 Bは後ろに下がりながら足裏でトラップし、その場に止めずに

 トラップでボールを前に押し出す。

 トラップでボールを前に押し出すと同時にドリブル開始。

 これの繰り返し。

 

☆ストレッチ

 

☆パス練習(1)

・向かい合うように15mぐらい離れた位置2箇所に分かれる。

・通常の対面パス

 パスを出した選手は対面の列の後ろまで走る。

・右足と右足でパス交換を20本ノーミスで続ける。

・左足と左足でパス交換を20本ノーミスで続ける。

 

☆パス練習(2)

・3人1組を作り、左右ALAとFIXOに分かれる。

 FIXOがボールを保持した状態でスタート。

・FIXOは右ALAにパスを出す。パスは右ALAの左足に出す。

・右ALAは左足で1トラップし、2タッチ目でFIXOの右足にパスを返す。

 FIXOは右から来たパスを右足でトラップし、真横(左足で蹴りやすい位置に)

 にボールを転がして左足で左ALAにパスを出す。

 2タッチでスムーズにプレーする。

・左ALAは右足で1トラップし、2タッチ目でFIXOの左足にパスを返す。

 FIXOは左から来たパスを左足でトラップし、真横(右足で蹴りやすい位置に)

 にボールを転がして右足で右ALAにパスを出す。

 2タッチでスムーズにプレーする。

・これの繰り返し。3人は時間でローテーションし、全てのポジションを

 プレーする。

 

※ポイント(1)

・ALAの前にはディフェンスがいる事を想定して、常に後ろ足でプレー。

 ALAは後ろ足で1トラップし、2タッチ目でFIXOに返す。

 時間をかけると目の前のディフェンスに寄せられて、プレーが難しくなる。

※ポイント(2)

・試合中、FIXOの前にもディフェンスはいます。その事を意識して、

 なるべくボールを体から前に置かないようにする。

 ボールは横にスライドさせるように転がす。そして、体の向きに気をつける。

 体の向きは常に攻めるゴールを向く。ALAの方を向いてしまうと

 体が横を向く事になるので、パス交換がスムーズに出来なくなってしまう。

 また、FIXOが常にゴール(シュート)とPIVO当てを意識するから相手

 ディフェンスが危機感を持って飛び込んで来れないのであって、

 横を向いてしまうと相手ディフェンスが簡単に寄せて来てしまう。

 よってプレーが難しくなるし、逆サイドへ展開出来なくなってしまう。

 

☆パス練習(3)

・マーカーコーン(4個)等で菱形を作る。

・各マーカーにそれぞれ並ぶ。

・先頭の選手がプレー。

・パスを右回りで回す場合は右足でトラップ→左足でパス、となる。

 2タッチでスムーズにパスを回していく。

 右足でトラップ後、足裏でボールを左足で蹴りやすい位置に転がす。

 そして即左足でパスを出す。

・パスを出した選手はパスを出した方向へ走り、列の最後尾に並ぶ。

・左回りの場合は左足トラップ→右足パス。

 

※ポイント

・このパス練習も体の向きに気をつける。

 パスをもらう際に体をパスの出し手の方に向けてしまうと、

 次にパスを出すのが難しくなる。

 体の向き全体を変える必要が出てくるので、時間がかかってしまう。

 だから、体の向きは常に自分以外の3人が見えるようにする。

 後ろにサイドラインがあると仮定し、そのサイドラインに背を向ける。

 

☆パス回しの練習(1)

 

 (図1)

 

    G○

 

    B○・

      ●

A○      C○                   G=ゴレイロ

 ●        ●                ABCD=オフェンス 

──────────(センターライン)    ●=敵ディフェンス

                              B・=ボール保持

    D○

      ● 

 

 

  (図2)

 

    G○

  

A○    ←←C○・           C・=ボール保持

 ●        ●           

──────────(センターライン)    

          ↑ 

    D○  ●↑

      ●  B○ 

 

 

  (図3)

 

    G○   

  

A○  C○・ B○            C・=ボール保持

 ●    ●   ●       

──────────(センターライン)           

    D○  

      ●   

 

 

・FIXOはALAにパスを出したらマーカーを振り切るため、一度裏を取るような動き

 (フェイク)を入れる。そして、そこから急に方向転換し、

 パスを出したALAと同サイドのコーナー付近にあるスペースへ走りこむ。

 そこへALAは体の向きを変えずにループパス(パラ)を出す。

 FIXOはそのままALAからの縦パスをシュートする。

・FIXOはスペースへ走りこむ際にマーカーを振り切らなくてはいけない

 ので、必ずフェイクを入れる。フェイクは緩急の差を利用する。

・ALAは縦パスを出す際に体の向きを変えてしまうと、自分のマーカーが

 縦パスを出すと予測してパスコースを消してしまうので、

 縦パスを出す事を読まれないため体の向きは横を向いたままが良い。

・ALAの縦パスはループパス(パラ)でなくてはいけない理由は、

 グラウンダーで出した場合、縦パスを読まれていなくても自分のマーカー

 の足が伸びて来て届くかもしれない(カットされる危険)ので、

 足が出て来てもループ(パラ・浮き球)ならば足の上を越せるので、

 縦パスがFIXOに通る。

 

○パス回しの練習(2)

 

☆パス回しの練習

・AとBは試合中のゴールクリアランスでごれいろからパスを

 受けるであろう位置(ペナルティエリアを少し出た所)にいます。

 コート中央まで移動したらBへパス。

 Bにパスを出したらパスを出したサイドの斜め前に走る。

 AはBから縦パスが来ない事を確認したら、Dの列の最後尾に並ぶ。

・A→B→C→D→B→A このように繰り返しパス交換。

・トラップは足裏でトラップし、その場に止めずにトラップで

 ボールを前に押し出すようにする。

 トラップの1タッチでコート中央へ行くぐらいの勢いで良い。

 

 

(図1)

 

A○・→A○  B○

                         A=ボール保持 

↑        ↑              B=味方

────────(センターライン)      CD=プレーヤーの列

↑        ↑

C○      D○

 ○        ○

 ○       ○

 

 

(図2)

 

    .B○←.B○

                     

C○                       

────────(センターライン)   

 ↑  A○

 ↑ 

C○      D○

       

 

※ポイント

・ただパス回しをするのではなく、PIVOに当てるという意識を持つ。

 トラップで中に1ドリブルしたら中を見て、PIVOがフリーならば

 PIVOにパスを出して攻撃に転じても良い。

・パスの受け手と出し手の2人だけのコミュニケーションで縦パスを

 狙える。

 コート中央までドリブルした選手がパスの受け手に何かしらの合図を

 声で行い、エイトの動きで斜めに抜ける。

 そこへパスを受けた選手が縦パスを出す。

 ディフェンスの事を考えるとグラウンダーだと足が伸びてきてカット

 される恐れがあるので、出来れば膝上ぐらいの高さのループパスが良い。

 また、体の向きを前に向けるとディフェンスが縦パスのコースを切って

 しまうので、理想としては横(コート中央)を向いた状態で縦パスを

 出す。

 

☆1対1(変則)

・通常の1対1ではなく、ALAが裏を取る事とフェイクの動きを

 身に付けるのが目的。

・ディフェンスはオフェンスに密着した状態で始める。

・パス出しはオフェンスの動きに合わせてスルーパスを出すか、

 足元にパスを出すか判断する。

・オフェンスはディフェンスの位置と距離を把握し、裏を取れるなら

 瞬時に裏を狙う。

 ディフェンスが付いて来るようならば即切り替えて、元の位置に戻る。

 ※フェイクの動きをマスターする。

 

☆チームとしてのオフェンス練習~4対4ゲーム形式~

・ディフェンスはハーフコートからのマンツーマン。

・FIXOがボールを保持した状態からスタート。

・オフェンスの約束事として、オフェンスのポジションは流動。

・PIVOペナルティエリア頂点(菱形の頂点)付近にいる事で出来た

 【両サイドのコーナーアーク】付近の空きスペースを積極的に使う。

 ALAが裏を狙う、FIXOが抜けてALAからの縦パス等+ALAの1対1。

・基本はエイトの動きで攻める。

 ディフェンスが固くてポジション固定では得点出来そうも無い場合、

 エイトの動きをして、両サイドのコーナーアーク付近にあるスペースを

 使う。

・FIXOはALAにパスを出したらパスを出したALAと同サイドのコーナーアーク

 付近にあるスペースへ走りこむ。

 そこへALAは縦パスを出す。

 FIXOはそのままALAからの縦パスをシュートする。

 

※1)ALAのディフェンスが縦のパスコースを切っていて、走って来たFIXO

   へ縦パスを出せない場合は、再度体勢を整える必要がある。

   FIXOがコーナーアーク付近に立ち止まったままで、なおかつALAも

   ボールを持った状態でサイドラインに止まっていると4人のバランス

   が悪くてボールを前に運べなくなってしまう。

   そこで、もしALAがFIXOに縦パスを出せなかった場合、FIXOは

   同サイドの後ろに戻って後ろに3人揃うようにポジションを

   取らなくてはいけない。

   その戻る動きが出来ないとFIXOのパスコースが限定されて苦しくなる。

   4人のポジションバランスはしっかりと整えなくてはいけない。

   PIVO+後ろ3人になるように。

 

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以上が07,10/13に行ったチームクリニックの内容になります。

チーム練習の参考にしていただけたら幸いです。