ブラジル式フットサル講習会

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10,2/28(日) Jrユースチーム公開練習試合(Fリーグ後座試合)

10,2/28(日)にJrユースチーム公開練習試合(Fリーグ後座試合)を戦って来ました。

 

試合日時:2/28(日) 17:30キックオフ

対戦相手:東京都女子フットサル選抜チーム

会場:駒沢屋内球技場

結果:○2-1(原、歩)

 

☆出場メンバー:GK.露、正

FP.原、晃、泰、盛、西、隼、元、唐、鈴、弘、真、歩、井、住

 

☆スターティングメンバー:GK露、FP原、晃、泰、盛

 

 

対戦相手の東京都女子フットサル選抜チームには女子の全日本選手権を5連覇している

FUNフットサルクラブLadiesのメンバーが多数いて、さすが選抜チームと思わせるメンバー構成でした。

 

うちは中三→3名、中二→7名、中一→4名、小学六年生→2名。

小さい子たちが観客を味方につけたおかげ?で勝ち取った勝利です。

 

試合は経験に勝る女子都選抜が主導権を握り、PIVOがサイドに開いたところに縦パスを入れるという攻撃をして来ました。

対するうちはピッチの真ん中を使おうとするのですが、ハーフに引いて内を絞る守り方をされたため、

なかなか惜しいチャンスを作れません。

 

練習からうちは常に前からボールを奪うという事と、縦を切って内で奪う事をやっているので、

相手陣内でボールを奪えた時は惜しい場面があるのですが、

裏にロングボールを入れられると苦しかったです。

 

崩せた場面は全く無くて、惜しいミドルシュートは数本あったのですが、

出来ればカウンターから得点を挙げてもらいたかったです。

女子都選抜が攻め込み、GKの露が防ぐ場面が沢山あったのですが、GKの露の判断が遅く

前に投げられません。それが歯がゆかったです。

味方オフェンスは前に走り出し、女子都選抜の選手よりも人数が上回っていたので、

GK露には速攻を狙ってもらいたかったです。

そう思う場面が3~4回あり、ここでGK交代です。

「攻撃を防いだ後、チャンスがあったら前に走らせるパスを出して速攻を狙おう。」

という指示の基に中学一年生の正を送り出します。

 

その後も女子都選抜は決定的な得点場面を何度も作り、うちのGKが防ぐといった展開で前半は女子都選抜の良い練習相手といった感じで終わりました。

ただ、女子都選抜がタイムアウトを使わなければいけなかった状況を作り出せた事は評価出来ます。

 

後半が始まる前に私がハーフタイムに出した指示は、

「今シーズンやってきた前からのプレスでボールを奪おう。プレスは縦切りを徹底しよう。

 少し当たりが強くてファウルが多いけれど、相手は大人。うちは中学生。

 体の大きさが違うんだから、ファウルを取られる事を恐がって当たる力を弱めたら

 逆に自分たちが怪我をしてしまう。

 ルールの範囲内で激しく当たろう。そしてボールを奪おう。

 マイボールの時はボールを持っている選手を両サイドが追い越す。

 そうしなければ数的優位になれないし、点が取れない。強い相手に勝つには

 ボールを追い越す動きを全員が意識して、数的優位を作るしかない。走ろう!」

 という内容です。

 

 前半から女子都選抜はPIVOがサイドに開いたところに縦パスを入れたり、

 パラレラからの崩しが非常に多かったので、【縦切り】をより強調しました。

 真ん中に陣取るPIVOに当てられても全員で挟みに行けば恐くないからです。

 実は前半もこの【挟む(サンド)】プレーでボールを奪えていました。

 サイドに開いたPIVOに入れられたり、パラレラをされても、パスを出された選手が

 ボールを追いかけて、挟むプレーをしていたので楽にキープ出来ない状況を作り出し、

 そしてボールを奪う事にも成功していました。

 練習の賜物です。【挟む(サンド)】プレーに関しては素晴らしかったです。

 

 攻撃に関して言えば、真ん中に【ケブラ】で下りて来た選手とワンツーパスで崩したり、

 カウンターからのドリブル、逆サイドがセグンド・ファー詰めをして惜しい場面を作れていました。

 ですが、先取点は思わぬ形で手に入りました。

 女子都選抜が前プレに詰まって、GKの前にボールがこぼれたところを原が

 全力で突っ込み、前に出るかどうか躊躇したGKよりも先につま先で押し込む事に成功します。

 全力でボールを追いかけ、余計な事を考えずにボールの行方に集中した結果の

 見事なゴールでした。

 

 さて、せっかく先取点を奪ったのですが、その後がよくありませんでした。

 女子都選抜がタイムアウトを取り、前からのプレスを修正して来た結果、

 前半よりもロングボールを使われてしまい、ボールウォッチャーになった選手たちが

 何度も裏を取られてしまいます。

 失点しなかったのはGK正の好セーブのおかげです。

 

 女子都選抜タイムアウト後も攻撃を何度も凌いでいたのですが、遅攻に落とし穴がありました。

 みなさんはプレーをしている時にチームメイトの利き足の事まで考えてプレーしていますか?

 同点に追いつかれる失点は、考えてプレーをしていないからこそ生まれてしまいました。

 ヘドンドのパス回しを試みた盛が左サイドにいた歩にパスを出して、「回ろう」と指示を出します。

 その「回ろう」という指示の基、左サイドからピッチ内にドリブルした歩に対して

 体を寄せて来た相手選手にボールを奪われ、そのままGKとの1対1を決められてしまいます。

 原因は歩が左足しか使えないからです。

 右足が使えれば左サイドからピッチ内にドリブルする際に右足でボールをキープし、

 左腕で相手選手をブロック出来るのですが、左利きで右足を使えないばっかりに、

 わざわざ相手選手に近い足(左足)でボールコントロールし、楽に奪われてしまいました。

 ポイントはヘドンドの指示を出した盛も左サイドにいた歩もお互い左利きなのだから、

 逆回りでプレーするべきでした。

 もっと要求を高くするならば、歩はヘドンドの指示通り最初からピッチ内へドリブルするのではなく、

 盛からパスをもらった時に一度ライン際で前を向いて、縦パスを入れるようなそぶりをして、

 目の前のDFにフェイントを入れるべきでした。

 ここまで考えてプレーしなければ、この先U-18でのプレーや、トップチームでのプレーは

 難しいでしょう。

 それと、歩に対して危ないようならば外に出させるなどの指示をGK正が出すべきでした。

 

 ここでタイムアウトを取りました。タイムアウトの指示は簡単な物で、

 「頭を使ってプレーしているか?歩と盛の利き足は?それがわかるならヘドンドの回る方向はどっち回りが楽?

 どっち回りが難しい?そこまで考えてプレーをしよう。正も指示を出す。

 GKは危ない場面では「クリアしろ」「外に出せ」「前を見ろ」などのフォローする声を出そう。」

 という内容です。

 ここで再度GKを露にチェンジしました。露は中三なので、全員に大声で指示が出せるからです。

 タイムアウトを取ったうちが女子都選抜よりも先に準備を終えて、逆転ゴールに向けて気持ちを高めます。

 

 タイムアウトでリフレッシュしたのか、出足の良さが戻り、あっという間に逆転に成功します。

 前からのプレスで相手選手が苦し紛れに蹴ったボールがゴールライン上ぐらいで高く上がります。

 そのボールをGKがファンブルし、こぼれ球を歩が押し込んで逆転!

 この得点も先取点と同じでボールの行方に集中した結果得られた物だと思います。

 ボールに対する執着力、ボールから目を逸らさない、得点に対する貪欲さは

 U-18選手に見習ってもらいたいです。

 

 逆転した後は選手のやりくりが大変でした。

 逆転したので、出来れば勝たせてあげたいという気持ちと、せっかく親御さんが観に来ているので、

 全員試合に出してあげたいという気持ち、その葛藤があったからです。

 

 2-1になってからは女子都選抜も必死で、ちょっとでも気を抜いたら危ないという雰囲気になり、 

 どうしても練習に沢山来ている選手、頑張れる選手、指示を出せる選手を最優先で出さなければ

 いけない状況に追い込まれ、本当に悩みました。

 

 ですが、この緊迫した状況で戦えるようになれば自信になるし、今後のためにも良いトライとなります。

 やはり私には勝負師ではなく、指導者・教育者といった表現があっていると思います。

 

 全力で同点ゴールを目指して戦う女子都選抜を相手に小学六年生2人を送り出しました。

 一人はまだ練習に3回しか参加していなかったので、ルールも覚えていないという事もあり

 本当に少ししか出してあげられませんでした。

 もう一人はドリブル突破などで果敢に攻め、「おっ」と思うような場面を作り出してくれました。

 最後はGKの露が大声でみんなを鼓舞してくれたおかげで守りきる事が出来、

 なんと女子都選抜チームに勝ってしまいました。

 

 この勝利はまぐれだと思います。次やったらどうなるかなと・・・。

 まぁ、それでも良い試合はしれくれるでしょう。そのぐらい、力がついてきました。

 あとはもっとお互いが試合中に会話して要求し合う事。それが出来ればより良いチームになれるし、

 もっと勝てると思います。

 また、試合中に指示が出せない選手はこの先団体競技であるフットボールの世界では戦っていけないので、

 個人としてもこの課題を克服してもらいたいです。

 

 Jrユースのためにこのような素晴らしい機会を設けてくださった東京都フットサル連盟の皆様、

 どうもありがとうございました。