ブラジル式フットサル講習会

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ロングボールの功罪

フットレポブログより~

「ロングボールの功罪」と大それたタイトルをつけてしまいましたが、簡単に言えば「ロングボールの良い点と悪い点はどこか」という事になります。

実は15歳以下でのフットサル競技会ではGKからハーフウェーラインを越えるロングスロー及びパントキックは禁止されていました。

パスの出し所が無いとGKは一度ボールを地面に落としてから蹴るドロップキックで逃げる事が可能でした。

2003年から適用された本ルールですが、全日本少年フットサル大会、全日本ユース(U-15)などを受けて

ついに2010年4月1日より「15歳以下のフットサル協議会における競技規則」が改正されました。

それはJリーグクラブの下部カテゴリーのチームですらロングボールを多用してしまっていたからなんです。

引用

先日、指導者仲間で集まる機会があり東京のU-18年代フットサルの現状、 そして各チームの戦い方について熱く語って来ました・・・。 U-18大会でも出場チームの3分の2はロングボールを多用しているのが現状なので、私はU-18でもU-15ルールを適用しても良いのではないかという意見を提案しました。しかし、理解をしめしてくれたのは審判の方々を含めたごく一部の人たちで、数名は「?」という感じでした。

「相手ゴール近くにボールを一気に運ぶ、それが勝利への一番の近道なのだから効率が良い。それの何がいけないのか・・・」

これではいつまでたってもフットボールIQや個人の技術レベルは上がりませんし、 U-18年代で前プレを回避するための知識と技術を向上しなければ数年後のFリーグは前プレ回避出来ない選手ばかりになってしまいます。

競技系と呼ばれるチームにもロングボールを多用するチームはいくつもあります。なぜ自陣から繋いで攻撃をしようとしないのか・・・。

でも、それは自分たちで「前プレに弱いです。」「前から奪いに来たらボールを取れますよ」と、弱点を言っているような物で、やる前から逃げているような気がします?

それではいつまでたっても前プレに弱い、前プレを回避出来ない選手・チームのままです。

レベルが上がりません。

自陣から繋ぐ→前からプレスをかけられる→ボールを奪われる→ピンチ→失点

となるとどうなるか。

試合に勝てない要素という事です。

しかし、未だに日本は無意味なロングボールを多用させる指導者が溢れています。

小さい頃、ボールを蹴り始めた時の純粋な気持ちを思い出して欲しいです。

ボール蹴りを始めた時の想いは「体の強い選手めがけてロングボールを蹴って得点を狙う攻撃、スペースに蹴って足の速い選手に追いつかせて得点チャンスを作る攻撃」がしたいからではないはずです。

これでは試合に勝ってもプレーをしている選手全員が楽しくありません。

観ている人たちも楽しくありません。

観戦に来ている親御さんたちは自分の子供の頭の上をボールが通過して、子供がほとんどボールに触らずに試合に勝っても喜べるでしょうか?

・ドリブルでDFを抜けたら良いな、

・カッコよくシュートを決められたら良いな、

・パスをつないで相手DFを崩せたら楽しいだろうな、

・テクニックを駆使してDFを翻弄させられたら良いな

etc・・・

という憧れがあったからこそフットボールに惹かれたのだと思います。

フットサルは元々若年層に狭いスペースでの技術習得、体の使い方、素早いシュート、DFに囲まれてもキープ出来る技術習得をさせる事を目的として生まれた物です。

だから年代にそって、若年層~U-12~U-15~U-18がサロンからカンポへ以降している国(ブラジル、アルゼンチン、イタリア、スペイン、ポルトガル、ロシア)などはフットボールの強豪国として成り立っているのだと思います。

下記サイトにて非常に興味深い記事を読む事が出来ます。

高校サッカー、蔓延するロングボール戦術の是非

さて、しきりにロングボールの「罪」ばかり挙げて来ましたが、ここで「功」についても書いてみようと思います。

「功」については裏を突くの1点だと思っています。

何も私はロングボール絶対悪と言っているわけではなく、意図の無いロングボール・安易な考えでもロングボールには未来が無いというだけです。

なぜ裏を突く事が「功」なのかと言いますと、ロングボールからのビッグチャンスはショートパスを多用して自陣から繋いで攻撃を組み立てるチームへのご褒美だからです。

自陣からショートパスを繋いで攻撃を組み立てるチームの対戦相手は通常ボールの出所をつぶそうとするので、当然前からプレスをかけに来ます。

そうするとチーム全体に「前で取ろう」という気持ちが強くなり、自然と前がかりになってしまいます。

前がかりになるという事は意識が前に行っている事と同義なので、裏には広大なスペースが生まれます。

裏にスペースが生まれた瞬間にスルーパスやロングボールを使い、一気に前線へボールを運ぶ事が可能になりますし、運が良ければシュートまで打ててしまいます。

前述した

自陣から繋ぐ→前からプレスをかけられる→ボールを奪われる→ピンチ→失点=試合に勝てない要素、

という考えを逆にします。

自陣から繋ぐ→前からプレスをかけて来る→裏にスペースが生まれる→ロングボールを活用すればチャンスになる

「功」ではなく、「罪」はゴール前を固めて守っている所めがけてロングボールを蹴る、投げる事です。

ガチガチにゴール前を固めたり、ハーフラインよりも後方に引いて守っている=完全に守る体制が整っていて身構えている状態の相手に対してロングボールを使うのは有効ですか?と。

PIVOが一人ゴール前でFIXOを背負っている、そこへロングボールを投げる。

これは有効か?選手たちはこの攻撃一辺倒で勝って楽しいのか?

(勝つ事が最大の目的で、将来は全く考えていない。今が一番重要と思うならば有りかもしれませんが・・・でも私はこの攻撃が得点するための効率良い攻撃とは思えません。)

身構えている相手にロングボールを使っても跳ね返されるか、数人に挟まれて上手くキープ出来なかったり奪われる事ばかりだと思います。

もしこの攻撃から得点が生まれるとしたら偶然の産物ゴールのみだと思います。

わかりやすい例として、エイトからのパラレラ、ヘドンド→ケブラからの逆ALAへのロングパスでしょうか。

相手が完全に引いた状態=相手陣内、でパラレラを使ったらパスに追いついた時にはタッチライン(コーナーアーク)付近にたっしていると思います。

ショートパスで相手を引き付け、裏にスペースが生まれたらロングボールを活用する。

急がば回れの精神とでも言うのでしょうか?

「得点したい、シュートを打ちたいから早く簡単にゴール前に放ってしまえ」では跳ね返されてしまったり、ボールをキープ出来ないので、

実は相手ゴールにボールは運べても得点という結果からはものすごく遠い戦術になります。jこれでは本末転倒です。

自陣からショートパスを繋ぎ、パスを出したらフットボールの基本である「パス&ゴー」を使えば攻めているゴールを向いた状態でリターンパスを受けられるので、攻撃しやすいです。

また、パスを出した選手が相手陣内で入るので当然攻撃する人数も増えます。

パスの本数も多いですし、一人一人の走る回数も増えます。手数で言えばロングボールよりもショートパス中心が大変です。

ですが、前を向いてボールを受けられる、相手陣内の攻撃人数を増やせる、相手を引き付けられれば裏のスペースを突けるなど、これだけ付加価値があるわけですから手数は多くても自陣から繋ぐ事が得点への一番の近道のように感じられませんか?

話を少し変えますが、ブラジルへ留学し、ブラジルでプロのフットサルリーグの試合を観て来たという方から「ブラジルに行ってフットサルの試合を観たら、全部ロングボールだった。」と言われました。

ブラジルのクラブがロングボールを使っている。それは、ブラジルでも極一部のチームのはずです。私がプレーしていたクラブ、コーチングの勉強をしたクラブはそうではありませんでした。各チームそれぞれ特色がありますので。

ブラジルで観た試合で、ブラジルのクラブがロングボールを使っていた。

ですが、それが何か?と私は言いたいです。

フットサル強豪国がロングボールだから、日本のチームも、10代のチームも、

自分が指導しているチームもそれに習ってロングボールを多用しても良いんじゃないか?

そうしよう!

というのでは短絡過ぎます。

「自分が無い」事と同義となってしまいます。

そもそも、なぜフットサルの指導をされているのか、目的は?

コンセプトは?

・自分はどんな選手に育てたいのか

・自分はどんなチームしたいのか

だと思います。

ロングボールを多用させている指導者のみなさん。

・自分はどんな選手に育てたいのか

・自分はどんなチームしたいのか。

を考えましょう・・・。

大事なのは、なぜロングボールを使っているのかです。

ブラジルのプロフットサルクラブでは負けが許されません。

Fリーグの下位チームのように何連敗もする事は許されません。

だから、前プレを回避し、なおかつ相手ゴールに近いところでボールをキープ出来るように

前に速く投げ込むというわけです。

でもそれはブラジル代表PIVOのベットンのように、体が大きくて強くて、

キープ力が抜群にある選手を擁しているから可能なんです。

ベットンでなくてもブラジル人は食べている物も育ってきた環境も、鍛え方も違うので身体の強さとボールコントロールのテクニックはものすごく高いです。

(日本人もテクニックはありますが、それは何も無い所限定です。DFに囲まれたら取られるのが日本人。取られないのがブラジル人です。)

じゃあ、日本の高校生・中学生はどうでしょうか?

当然キープ力は落ちますし、基点になれるのはほんの数回です。

という事はそれほど有効な攻撃ではないという事です。

ではなぜ日本(都内)の高校生・中学生のフットサルチームを見ている人はロングボールを放らせるのか・・・

前プレを回避する手立てを選手に示せないから、負けたくないから、

単純に「逃げ」となっていませんか?

中学生はやっとルールが改正されました。

高校生の試合は酷いです・・・。

そしてサッカーあがりなので、ルールを把握しておらず、ルールの範疇を超えた過剰な力でのプッシング・タックル・チャージが多くて、ラフプレーばかりになる試合も多々あります。

ファウルをとった審判に文句を言う選手もいます。

このような選手が本当にフットサルをやりたいのか疑問です。

本当に、心の底からフットサルをやりたいなら、フットサルを好きになって欲しい。

ルールも含めてもっともっと理解を深めて欲しい。

そうすれば、コーチ・監督・顧問が意図の無いロングボールをやらせる事に疑問を感じるはずです。

フットサルは狭いコートで、敵味方が狭いエリアに密集する事が前提とされたスポーツです。

それをロングボールで逃げるのではなく、パスとドリブルで打開してシュートまで持って行くから面白いスポーツになるのではないでしょうか・・・

そこに裏を突くロングボールが加われば鬼に金棒となるはずです。