ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

U-18選抜チームの試み

今年も東京都ユース(U-18)フットサルリーグの季節になりました。本リーグは2008年度に創設され、第1回大会の成功を受けて今年で早3回目となりました。ユース(U-18)フットサルリーグでは真剣勝負の場となるリーグ戦だけでなく、U-18年代のフットサル選手育成及び強化を目的として2009年3月にユースリーグ選抜チームを結成致しました。

 

サッカーとフットサルは同じフットボールでありながら、高校生にとっての活躍の場は非常に差が開いております。
サッカーであれば冬の選手権だけでなくインターハイ、クラブユース、プリンスリーグ等、多くの活躍の場があります。ではフットサルはどうでしょうか?
競技人口が他県より比較的多い東京であっても夏と冬、そして新設されたばかりのリーグ戦、ただこれだけです。
高校在学中の3年間だけ趣味でフットサルをプレーしたいという選手ならば良いのですが、高校卒業後にFリーグでのプレーを夢見る選手にとっては少な過ぎます。

 

高校卒業後も競技としてフットサルを続けたい、日本代表・Fリーガーを目指したいという選手にとっての力試しの場が無くては自身の力量も測れないですし、「都内の高校」だけという限られた環境のみでプレーをしていては視野が狭くなってしまいます。

 

私にとってU-18ユースリーグ選抜は、高校卒業後もフットサルで上を目指す選手のための力試しの場として、高校3年間フットサルに真剣に取り組むためのモチベーションとしても、絶対に実現させたい夢でもありました。

 

選抜チームはその名の通り、U-18ユースリーグという舞台から選び抜かれた選手で構成されたチームです。という事はこの選抜チームに入れる選手はそれだけ優秀という事ですし、高校卒業後もフットサルを続けて日本代表・Fリーガーを目指すならば、この選抜チームに入れるレベルでなくてはならないという事です。
いきなり高校生に日本代表・Fリーグといっても大き過ぎる話ですので、U-18ユースリーグ選抜チームを身近な目標として、このチームに入る事を高校3年間のモチベーションにしてもらいたいと思い、結成実現に協力させていただきました。

 

以下2008年度活動実績

 

・2/17 セレクション(各チーム監督推薦0~5名)


・3/3  練習第1回


・3/10 練習第2回


・3/17 練習第3回


・3/24 練習試合(対 府中アスレティックFCサテライトチーム)


・3/29 第6回東京都フットサルカップ エキシビジョンマッチ
(対 FUGA MEGURO ●1-6)

 

※残念ながら2009年度の選抜チーム活動はありませんでした。

 

選抜チームに選ばれてプレーをする事で自身の力量を知り、高校卒業後のフットサル人生に向けた準備という意味では日本一のチームと試合を出来た事は有意義だったと思います。トップレベルのチームを相手に何が通用して何が通用しないか、今後どのようにフットサルに対して取り組めば良いのか、という事を選抜チームの選手が自主的に考える事が出来た良い機会だったのではないでしょうか。

 

以上の事を踏まえ、創設初年度の選抜チームの活動は成功したとご報告させていただきます。

 

 

[これからのU-18年代のフットサル]

2009年度よりFリーグの登録が下記のように変更されました。

 

1. 通常選手枠  最大14名まで(昨シーズンまでの「最大20名」から縮小)

2. U-23選手枠  最大14名まで(必ず1名以上を登録)

 

これにより、Fリーグの全クラブは23歳以下の選手を必ず1名以上登録しなければいけなくなります。U-23枠が出来たという事は今のU-18世代が重要だという事です。

Fリーグが急激な世代交代、若手育成を推し進めるようになった理由に、現在のフットサル日本代表及びFリーグの主力選手たちは20代後半から30代前半が多く、戦力となる若手が少ない事が挙げられます。

 

日本のフットボール界の現状として、幼稚園児・小学生・中学生、どの年代から始めても一番最初にボールを蹴るスポーツはサッカーです。そして、子供たちは『ボールを蹴る競技=サッカー=11人対11人』と教わって育つため、常に大きなコートで11人対11人の試合を行う事になります。(後にU-12は全て8対8へ以降。)
この図式が成り立つ以上、日本サッカー界はJリーグを頂点とした年代別のピラミッドが完成しており、下から優秀な人材を吸い上げる事が可能です。

 

では、フットサルはどうでしょうか?
フットサルを競技として真剣にとらえてプレーを始めるのは大半が大学生か、大学卒業後だと思います。理由として、目指すべき第一目標がプロのサッカー選手だからです。Jリーグというプロリーグが存在する以上、そこを目指すのは当然の流れだと思います。ですから現状ではサッカーのプロを目指していたが何らかの理由で断念した、もしくは引退してからフットサルに転向するのが現状の流れとなっています。だから自ずとトップリーグの年齢層は高くなってしまいます。

 

そこで、我々東京都ユース(U-18)フットサルリーグの責任は非常に大きくなると思います。リーグに出場している選手の大半がフットサルを高校卒業と同時に辞めてしまう現状を打破しなくてはいけません。
憶測ではありますが、元々フットサルをプレーするようになった高校生たちの多くはサッカーの挫折組です。セレクションでの不合格、監督・顧問の先生との関係、選手間の人間関係、技術不足等、何らかの事情でサッカー部やクラブチームを辞めた選手たちが、楽しんでボールを蹴れる場としてフットサルに関わるようになって来たのだと思います。

しかし、サッカーを辞めたからと言って、それでフットボール人生が終わったわけではありません。

 

フットサルもサッカーと同じフットボールです。サッカーを辞めた選手でも、フットサルでプロになれる可能性があります。

Fリーグという素晴らしいフットサルのトップリーグが出来た以上目標としてまずはそこを目指してもらいたいですし、その可能性があるという事を理解してもらい、フットサルとはこんなにも奥深くて楽しいスポーツなんだと我々には伝える義務と責任があると思っております。

 

ただし漠然と、『Fリーグという場があり、サッカー以外にも将来進む道がある』と伝えても、肝心な質が低ければ話になりません。ですから選手たちには高校生のうちにフットサルの基本となる知識・技術、そして個人戦術とグループ戦術を覚えさせる事も必要になってきます。
今後の育成及び強化の展開としては東京都ユース(U-18)フットサルトレセン(トレーニングセンター)の立ち上げを計画しております。
フットサルが盛んな東京都でもフットサルの正しい知識を身につけ、育成年代の指導が出来る人材が必ずしも全チームにいるわけではありません。そのような、なかなかフットサルの情報を得られない環境の選手(指導者)に、フットサルで頂点を目指すために必要な知識・技術等を身に付けさせるためにはトレセンが必須だと考えます。

 

トレセン立ち上げには乗り越えねばならない障害が沢山ありますが、東京都がU-18フットサル選手育成に力を入れる事によって、それが他県への刺激となり、後に続いてくれるのではないかと思います。
(2010年10月10日には神奈川県招待選抜大会が開かれ、2011年2月には東京都ユース(U-18)フットサル大会10周年記念事業として、選抜大会を実施出来るように企画しております。)

 

[2010年度東京都ユース(U-18)フットサル選抜チーム活動予定 ]

 

・9/13 メンバー決定

・9/20 第1回練習

・9月~10月第1週 第2、3回練習

・10/10 ユース(U-18)選抜大会