ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

東京都ユース(U-18)フットサルリーグ・トレーニングセンター 第3回

2010年度東京都ユース(U-18)フットサルリーグ・トレーニングセンターの

第3回目をレポートします。
 
開催日:1/4(火)
 
●参加メンバー:FP12名、GK4名
 
 
●アップ
・各自、フリーランニングしながら関節運動。
 リラックスしながら今日の自分の体の具合を確認しながら。
 10分後にダッシュが出来る状態にしておく。
 
●自己紹介
・チームメイトの名前(ニックネーム)を覚える事が目的。
・所属チームではどう呼び合っているか知らないが、ここではニックネームで呼び合う。
 フランクな関係を築く。「さん」付けは不要。
 
●ダッシュリレー
・4チーム対抗戦
・4人1組を 4チーム作り、25m往復ダッシュのリレー。
 1人目がボールを両手で抱えて走り、25m地点にボールを置いて戻って来る。
 2人目が25m地点に置いてあるボールを拾い、両手で抱えて戻って来る。
 3人目はボールを両手で抱えて走り、25m地点にボールを置いて戻って来る。
 アンカーが25m地点に置いてあるボールを拾い、両手で抱えて戻って来る。
 
●ターン時の体の使い方解説
・ターンする際に円を描くように大回りしてターンしていては時間がかかってしまう。
 例えば、試合中の攻守(守攻)の切り替えでゆっくりターンしている余裕は無い。
 カウンターを防ぐためにも即戻らなければならない。
 早くターンするには、戻る瞬間に目の前の地面を前足で踏むと同時にターンし、
 (踏ん張る際には地面に手が届くぐらいまで腰を落とす)
 ターンする一歩目で一気に加速する。

●正しいランニングフォーム解説
・オリンピックの陸上競技選手のフォームをイメージする。足は地面を蹴るのではなく、
 股関節を動かして腿を上に引き上げるように走る。
 足裏で地面を蹴るのは前にではなく、真上に蹴り上げる。
 股関節を動かす事で前に進む。
 上半身は起こし、肘を90度に軽く曲げて腕は細かく速く動かす。
 最初の2~3歩目までは細かく素早く動かし、4歩目から一気にトップスピードに乗る。
 【加速走】をマスターする。
・選手で協力し合い、上半身が寝ている選手には前傾姿勢で走っている事を指摘する。
 
☆優勝 浩、菅、聖、誠チーム
 
●GKアップ
・正面上下キャッチ、左右ローリングダウン。
・左右セービング(足)→セカンドボールへの対応
 
●FPターン(ボールを使用)
・3人1組でボールを2個使用。
・コートの横幅を使ってプレーする。両サイドに1人ずつ(B,C)立ち、ボールを足で保持。
 ボールを持っていないプレーヤー(A)はボール保持者同士のちょうど中間に立つ。
 真ん中にいるプレーヤー(A)はお互い同時に動き出す。
 AはBに向かって走り、BはAが自分お1m手前まで来たら足裏で軽くパスを出す。
 Aはそのボールをインサイドor足裏で返す。その後、即ターン。
 パスした足でぐっと踏ん張り、そのまま真後ろへ急激にターンする。
 真後ろへターンしたら即加速。そして反対のボール保持者へ向かってダッシュする。
 そして今度は逆足で返す。これの繰り返し。
 
●攻めるゴールを意識してのパス回し(1)
・左右両サイドに分かれて横パス交換。パスを出したら攻めているゴール側へ走り、
 自分がプレーしていた側の列最後尾に並ぶ。
・逆サイドの選手へパスを出す際に左右どちらの足へパスを出すのか考える。
 DFから遠い足?近い足?なぜそうなのか考える。
・パスを受ける選手の体の向き、使い方、パスコースの選択肢を意識する。
 本トレーニングではパスコースは逆サイドのみだが、実際の試合ではそれだけではない。
・どれだけ実践を意識してトレーニングに取り組めるかが重要。
 
●攻めるゴールを意識してのパス回し(2)
・上記プレーにDFをつけて。
 
●GKとの1対1
・センターライン付近からサイド(第2PKの高さ)に開いた選手にパスを出して、
 ワンツーパスの要領で真っ直ぐ走る。
 「パスを出したら走る」の意識を高く持つ。
・ワンツーパスを受けたらGKと1対1を行う。
・走っている間にGKの位置とコーチからのパスの強弱や位置によって、
 どのようなシュートを打つのか、どやって得点するかをイメージする。
・必ずノートラップシュート。

※ゴール前5~7mの距離でのGKとの1対1は絶対に決めなくてはいけないプレーの一つです。
 決定力を向上させるトレーニングなので、1回1回のプレーを無駄にせず自身のレベルアップのみ考える。
 
●3対2~前プレ回避(1)~
・ゴールクリアランスからスタート。フルコートゲーム。
 オフェンスの2人はペナルティエリアラインの位置でサイドラインいっぱいまで開いて横並び(平行)になる。
 もう1人はPIVOの位置に入り、トライアングルを作る。
・DFの2人は最初は内絞りでGKから直接PIVO当てされないポジションを取る。
・GKはオフェンス2人のうち誰に出しても良い。両サイドの選手は裏を狙ったり、
 フェイクの動きを入れたりする。
 中が開いているようなら直接PIVO当てしても良い。
・DFは人数が1人少ないのだから、ボールを前に運ばせない守り方をしなければいけない。
 ボールホルダーへ寄せる選手は縦切り、逆サイドの選手は打ち絞り。
 横パスを出させたら、打ち絞りの選手が横パスを狙いに行くために寄せる。
 (縦のパスコースを切りながら)
 そして逆サイドの選手はカバーリングのため、打ち絞りのポジションへ修正する。

[ポイント]
・オフェンスの選択肢は4つ以上。 
 PIVOは張るだけでなくDFとDFの間に下りるプレーも必要。
・両サイドの選手が裏を狙って走った場合、1stDFはついて行かない。
 マンツーマンでついて行ってしまうと簡単にPIVO当てされてしまい、ボールを前に運ばれてしまう。
 両サイドの選手が上がって来たらDF2人は連動し、指示を出し合いながらボールを前に運ばせないポジションを取る。
 サイドの選手がボールを持ったら縦を切って寄せる。これだけで裏に蹴られなくなる。
 そして余っているDFがカバーリングの意識を強め、他の2人をケアする。
 
●3対3~ボール奪取~
・フルコートゲーム。
・ゴールクリアランスから始める。自陣ではオフェンス側の2人が両サイドラインに開き、
 GKからパスをもらえる位置につく。
 もう1人は相手陣内の第2PK付近でPIVOとしてのポジションにつく。

[ボールの奪い所]
(1)DF側はマンツーマンでマークにつくが、スタート時のポジションはGKから直接
 PIVOに当てられないように、2人共内絞り。
 GKからパスを受けた選手と同サイドの選手は、まず一番最初に縦のパスコースを防ぎ、
 そしてボール保持者が楽にプレー出来ないように体を寄せる。
 ここでボールを奪う事も考え、ルールの範囲内で体をぶつけ、縦を切ったままボール奪取を狙う。
(2)逆サイドの1人は横パスをカット出来るように少しサイドに開く。
 マーカーとの距離は4m程度。近すぎると裏を取られてしまうし、ボール保持者がパスを出さなくなる。
 わざとボール保持者がパスを出したくなる距離を取り、苦しい体勢から人任せのような
 パスを出して来たらパスカットを狙う。この横パスをカット出来たら得点の可能性が高まるので、
 スライディングしてでもパスカットを狙う。
(3)PIVOをマークしているFIXOは前線にいる味方に「言葉」でパスコースを切る指示を出し、
 DFの間へ下りた相手PIVOへパスを出させないようにする。
 前線のDFが内を切ってPIVOにパスを出させないようにした場合、ボール保持者は
 ライン際のドリブルしか選択肢は無い。
 よって、ライン際をドリブルした際にマンマークの選手は体を当て、体勢を崩させ、
 FIXOはライン際でボールを奪うために一気に寄せる。
 前線の選手とFIXOでサンドする。

[約束事]
(1)縦切り
(2)体を寄せる、ぶつける、楽にボールを持たせない。
(3)PIVOへのパスコースを消させる指示を出す。
(4)次に出るパスを予測して奪う。連動してボール奪取。
(5)ボールを奪うのは横パスか縦ドリブル。

<オフェンス>
・ゴールクリアランスを受けたボール保持者はファーストタッチで前を向く癖をつける。
 横を向いていては選択肢が横パスメインになってしまう。
 前を向く事で選択肢が縦、横、中の3つになる。
 自分の目の前のDFの立ち位置によってプレーを変える。縦を切られていたら下りて来たPIVOを使って
 ワンツーパスで突破する。内を切られていたら縦ドリブル、もしくはPIVOとパラレラ。
 DFが密集しているようならば逆サイドへ一気に飛ばす。
 逆サイドへパスが出た時もPIVOは2対1の数的優位を作るため、真ん中のDFとDFの間へ入ってボール保持者と距離を縮める。
 
・赤チーム:菅、三、蘭、裕
・青チーム:良、李、杉
・黄チーム:河、清、聖
 
●ゲーム
・菅、聖、裕、良、清
・三、河、蘭、杉、李
 
以上が1/4(火)のトレーニングメニューになります。
 
 
<話した内容>
・「前プレ」を怖がらない。FP4人が連動し、パスコースを3つ作れば簡単に打開出来てしまう。
 ポイントは1タッチor2タッチプレー。1人のボール保持時間を短くして、ボールがある
 場所を相手に特定させないようにする。
 ボール保持者が目まぐるしく変われば、DFは首を振らなければいけなくなるので
 非常に苦しい。しかし、1人のボール保持時間が長くなれば、その分だけDFはボールの
 奪い方を考える余裕が持ててしまうので、DFが有利になるかもしれない。
・PIVOはALAとの距離を縮め、DFの足がパスコースに入らない角度まで下りる。
 深い位置ではなく浅い位置まで、最悪平行になってもかまわないから距離を縮めて
 パスコースを作るように工夫する。
・真ん中に入った選手にパスを出す事によって、自分のDFが一回ボールを見るために
 自分を視野から消してしまう。その瞬間、自分はフリーになるのだから、楽になる。
 自分が楽になってから真ん中の選手にリターンパスをもらえば前を向いて、なおかつ
 DFから距離が離れた状態でボールを持てる。
 自分が楽になるために真ん中の選手を使う。もしくは真ん中に入ってあげる。
・「自分が自分が」と、自分の良いプレーばかり魅せようと躍起になってしまうと
 空回りしてしまう。アピールとは、自分がファインプレーを魅せる事だけではない。
 フットサルは団体競技なのだから、チームプレーを度外視したプレーはマイナスイメージ
 でしかない。どんなに優れたプレーがあったとしてもチームに迷惑をかけるような行為が
 あった場合はプラスな要素は意味をなさない。
 まずはチームとして、何が大事かを考えた行動を取る。優れたプレーをしても味方のミス
 に文句を言ったり、諦めたり、士気を下げるような選手はプラスイメージにはならない。
 チームに取って何が大事かを考えてプレーをする。