ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

超初心者対象・得点力アップ、トレーニングメニュー(2)

 

 3/23にアップしました、「超初心者対象・得点力アップ、トレーニングメニュー(1)の続きになります。今回は、より実践的なものになります。

 

 

●シュート練習(1)

・シュートを打つ選手と、パス出しに分かれ、シュートを打つ選手は、

 ハーフウェーラインに待機。

・サーバーがゴール脇に待機し、そこからシューターに向かって、パス出し。

 パスを出すのは、ペナルティエリアとハーフウェーラインの間ぐらいで、

 パススピードは極力遅くし、走り込んでシュートを打ちやすくします。

 シュートを選手は、サーバーからのパスにあわせて、走り込んで、

 ノートラップでシュートを打つ。

 

[ポイント]

・試合中、ゴール前の混戦から、こぼれ球が自分の目の前に、転がって来た

 という状況をイメージしてください。

 混戦では、トラップをしている余裕はありませんし、トラップすることで、

 シュートを打つまでに時間がかかってしまい、相手DFがシュートコースを

 消してしまうかもしれません。そのため、ノートラップシュートにします。

・シュートフォームをチェックする。

 (軸足の踏み込み、踏み込みと同時に、蹴り足を後ろに振り上げ、

 キック後は、蹴り足の膝から下を、振り切っているか。爪先は下を向いて

 いるか、足の甲でボールの中心を蹴れているか、蹴った後、体重移動が

 出来ているか、等)

・試合中、シュートを上にふかしてしまうと、絶対に得点することは

 出来ません。グラウンダーのシュートを打てば、味方が角度を変えたり、

 GKの弾いたボールを押し込んだり、相手選手が触ってオウンゴールする

 こともあります。しかし、上にふかしてしまっては、ピッチにいる選手は、

 誰も触ることが出来ません。上にふかす=届かない、触れない・・・

 となるので、当然、得点する可能性はなくなります。

 ですから、一番最低なシュートは、バーの上にふかすことです。

 グラウンダーで枠を外したとしても、運良く味方がその場にいたり、

 DFに当たって、味方の前にこぼれたり、オウンゴールがあります。

 

●シュート練習(2)~応用~

・コーナーアークからパスを出すことによって、より実戦形式になります。

 例えば、シューターをハーフウェーラインの右サイドラインに配置し、

 パス出しを、シューターから見て、右のコーナーアークに配置します。

 そして、パスをライン際に出して、それを走り込んで、右足でシュートを

 打ちます。左コーナーアークからのシュートはその逆で、左サイドから、

 ライン際に出されたパスを、左足でシュートします。

 

[ポイント]

・コーナーキックからの得点は、大きく分けて2つあります。

 ペナルティエリアの中に、低くて速いシュート性のボールを入れて、

 中で押し込むか、点で合わせるという方法と、

 ライン際に、後ろに下げて、走り込んでファーサイドに向かって、

 強いシュートを打つ方法の2つです。

・DFがペナルティエリアを空けてしまっているならば、中に速いボールを

 入れて、押し込むことを狙えば良いですが、中を4人で固められている 

 状況で、ペナルティエリアに入れてもクリアされてしまうだけです。

 ですから、中を固められている場合は、後ろに下げて、走って来た選手が

 ノートラップでファーサイドへシュートを打つことを狙います。

 もちろん、DFが寄せて来たら、キックフェイントが有効です。

 

●シュート練習(3)

・前述した、(2)のペナルティエリアに速いボールを入れて、点であわせる

 ためのトレーニングです。

・シュートを打つ選手は、PKマークに待機し、パスを出す選手は、

 コーナーアークからパスを出します。

・パスの出し手は、グラウンダーで、強くて速いシュート性のパスを出し、

 シュートを打つ選手は、それに合わせて、走り込み、プッシュシュートを

 狙います。ゴール前なので、強いシュートは必要ありません。

 強いシュートを打とうとすると、無駄な力が入ってしまい、空振ったり、

 ふかしてしまいます。ペナルティエリア内では、GKの至近距離なので、

 足を振り抜かなくても、合わせるだけで十分強いシュートになります。

 至近距離で、ノートラップで放たれたボールには、意外と勢いがつくので、

 GKにとっては、非常にとりづらいシュートになります。

 また、コースを狙えば、GKは反応出来ません。

 強く蹴ろうとして空ぶったり、ふかすよりも、ノートラップでコースを

 狙うことが、より得点の確率が高いです。

 

[ポイント]

・あわせるだけのシュートは、振り抜かずに、インサイドキックを使います。

 プッシュシュートなので、足の内側部分をボールに当てるだけで、

 非常に強いシュートが打てます。絶対に振り抜かないようにしましょう。

・試合中に、味方のすごく速い折り返しが目の前に来た! という、

 状況をイメージして、シュートを狙って下さい。

 

●PIVOのシュート練習

 

 PIVOのターンや、シュートは、練習しなければ身につけることの出来ない、特殊なテクニックだと思います。PIVOはその名の通り、「ポストプレーをする選手」のことを指すので、常に、DFに背を向けた状態でのプレーになります。

 

・2人1組で、PIVOとDFに分かれます。

 PIVOは、最初からボールを足裏でコントロールした状態になり、

 PIVOの背中にDFが軽く手を置けるように準備します。

 DFが、背中の右側に手を置いたら左にターン。

 DFが、背中の左側に手を置いたら右にターン。

 というように、DFの腕を支点にして、DFの体重が乗っていないサイドへ、

 すぐにターン出来る癖をつける。

 実際の試合中に、どのような状態になったら、左右どちらにターン

 しやすいかを、すぐに判断出来るようにするため。

・ボールを真横に動かしてしまうと、ターン出来ないうえ、軸足をゴールに

 向けて踏み込めないので、シュートが打ちにくいです。

 ボールを足裏で、斜め後ろに動かすことで、シュートを打ちやすくなります。

 

●カウンターからのシュート練習

 

 フットサルの試合で、一番得点が生まれるのは、カウンターからの数的優位を活かした、素早い攻撃からのシュート→ファーポストでのプッシュ、です。それをイメージした、シュート練習をします。

 

・左右のALAと、FIXOの3箇所に分かれます。FIXOは、自陣の第2PKマークの

 位置へ、左右のALAは、ハーフウェーラインの高さで、左右のサイドライン

 ギリギリの位置で待機します。

・FIXOは、自分の判断で、好きなサイドのALAに走らせるパスを出す。

 まず、走らせたい選手に対して、「~、走れ」と指示を出します。

 そして、その選手が走ると同時に、前にパスを出すようにします。

 パスは、ALAの前方5mぐらいを目安として下さい。

 逆サイドの選手は、走った選手を見ながら、ファーポストめがけて、

 全力で走ります。パスを受けた選手が、GKを引きつけてくれるので、

 ファーポストで待ち構えて、無人のゴールにプッシュするためです。

・パスを受けたALAは、ワントラップしてGKの位置を確認し、その後

 ファーポストめがけてパスを出します。

 パスが出なかったサイドのALAが、ラストパスが来ることを信じて、

 ファーポストへ全力で走って来ているはずです。

・FIXOのパスが悪く、長い距離を走らされて、深い位置までボールが

 転がった場合は、トラップせずに、ノートラップで折り返します。

 トラップしてしまうと、ペナルティエリア付近では、GKが距離を詰めて

 来る可能性がありますし、ファーサイドへのの角度が悪くなり、ファー

 サイドへパスを出せなくなってしまいます。そうならないためにも

 深い位置ならば、ノートラップで打つことを意識して下さい。

・FIXO→左右どちらかのALA→ALAはワントラップして、ファーポストへ

 強いパス→逆ALAは、インサイドキックで、合わせるだけのプッシュシュート。

 

[ポイント]

・パスをもらったALAは、GKを引きつける。

・逆サイドのALAは、ラストパスが来ると信じて、ファーポストへ全力疾走。

・GKがニアにポジションを取っているので、ラストパスをファーサイドへ出す。

・パス2本+シュートで得点する!

 

[ポイント]

※本来ならば、ファーサイドへはシュートを打つべきなのですが、今回は超初心者対象のため、逆サイドが詰める事(3人目の動き)の重要性を第一に伝えたかったので、あえてシュートではなく、パスと記載しました。また、合わせるだけの、プッシュシュートの練習メニューも載せてあるので、実際に試合を想定した中で、トライしてもらいたいという意図の基、シュートではなく、パス表記にしてあります。

 

●シュート練習(5)

・パスフェイントからのドリブルシュートです。

 

・シュートを打つ選手は、左右どちらかの、ラインぎりぎりの位置でボールを

 保持します。そして、PIVOがサイドラインに流れるのをイメージし、その

 PIVOへ、ラインに沿った縦パスを出すことをイメージした、【キックフェ

 イント】をします。キックフェイントは、パスを出すように、軽く足を後ろ

 に引き、パスを出そうと足を振り下ろすと同時に、足をボールの上に乗せ、

 足裏でボールを止めます。

 この動作が大きければ大きいほど、相手DFは、PIVOに縦パスが入るだろう

 と、錯覚します。

 目の前のDFをキックフェイントで、PIVOへのパスコースを切らせるように

 ライン側に寄せたら、その瞬間に足裏でボールを、コート中央へ向かって

 真横に転がします。ピッチ中央へ向かってドリブルし、その後シュート。

・左サイドでプレーする場合は、パスのキックフェイントは左足、シュートは

 右足。右サイドでプレーする場合は、パスのキックフェイントは右足、

 シュートは左足になります。キックフェイントの後に、ピッチ内側へ、

 ボールを転がすので、外側の足でないと、転がすドリブルは難しいです。

 

[ポイント]

・キックフェイントは、実際にボールを蹴る時と同じように、蹴り足を後ろに

 引き上げるようにしましょう。

 蹴り足を振り下ろしたら、足裏をボールの上に置く。ボールの上に、足裏を

 置くと同時に、その足裏で、ボールをピッチ中央に向かって、横にスライド

 させます。

・DFを引きつける為のフェイントは、何も足だけでやるモノではありません。

 手を使って、PIVOをサイドラインに寄せるようなジェスチャーをすれば、

 それだけで目の前のDFは騙せます。

 PIVOをサイドに開かせるような、手のジェスチャーに加えて、キックフェ

 イントを行うことで、より効果があります。

 また、手と一緒に【声】を使う手もあります。

 声でPIVOに、「右(左)に開け! 」と言いながら、手でも外に開くような

 ジェスチャーをすれば、さらにフェイントとしての効果が増します。

 

 

 何事もそうですが、スポーツも例外無く、一朝一夕にはいきません。今回、得点力アップのための、トレーニングメニューということで、いくつかの内容を掲載しましたが、必ずしも、この順序でやらなくてはいけないわけではありませんし、全てを一度に取り入れる必要もありません。

 

 まずは、ご自身の実力にあった物を選択し、そして、それらを1つずつ、クリア出来てから、次のステップへと進んで下さい。第一に、基礎となるフォーム固め。フォームが固まり、ボールの中心をとらえられるようになったら、実際にボールを蹴ってみて下さい。その際も、止まっているボールを蹴ることから始め、止まっているボールの真芯をとらえられて、強くて真っすぐなシュートを打てるようになったら、次は動いているボールを蹴ることに挑戦。そして、少しずつ、転がす距離を伸ばしたり、パススピードを強くしたり、負荷をかけていくべきだと思います。

 

 ここに挙げたものが全てが必要、重要というわけではありませんので、ぜひご自身で吟味し、実際に挑戦していただいて、それに伴って取捨選択をするようにして下さい。多くの方のレベルアップに、貢献出来たら幸いです。