ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

11,3/29「質の良い練習は、選手とコーチの協力関係が必須!」ユースチーム

☆U-23参加メンバー:史、孝、木

☆U-18参加メンバー:櫻、蘭、寿、裕、外、至、翔、真、露、俊、親
☆U-15参加メンバー:住、正、井、佑、勝、裕、幸、唐、寛
 
 
●カテゴリー間のコミュニケーション向上&視野の確保(1)
・マーカーを8個使って正方形を作る。
・マーカー3つで正方形の一辺を作る。
・各マーカーの間隔は1m。
・7人でプレー。7人それぞれがマーカーとマーカーの間に入る。
 7人でプレーをするのだから一辺だけ誰もいない辺が出来る。
・ボール1個使い、それを手で保持する。
・ボール保持者はボールを手で他7人の誰かにパスを出し、
 空いている辺に移動する。
 この時、必ずマーカーの外を通って移動する。

<ポイント>
・パスを出す際に名前を呼んで、「あなたにパスを出しますよ」ということを、
 相手に意識させる。
・パスを出した後はなるべく早く移動する。そして走るスピードも速く。

●カテゴリー間のコミュニケーション向上&視野の確保(2)
・慣れてきたら上記トレーニングをボール2個で行う。
・ボール1個は手でパス、もう1個は足でプレー。
・足で扱うボールは2タッチ以内。ノーミスを意識する。
 
<ポイント>
・目が合ってから、パスを出す。名前だけ呼んで、自分のパスが成功するとは
 限らない。独りよがりは避ける。名前を呼んだだけでは、相手は自分がパスを
 出そうとしていることに、気づいていないかもしれない。
 気づいていないのにパスを出したら、成功しない。
 必ず、名前を呼んだあとに、目が合ったことを確認してからパスを出す。
 目が合えば、パスは成功する。
 
●カテゴリー間のコミュニケーション向上&視野の確保(3)
・(2)のトレーニングに慣れたらボールを1個に減らし、足で扱う。
 ただし、1タッチ。
 
●静的ストレッチ
・全員で大きな輪になって、1人1種目ずつ8×2秒。約1周。
 指示する1人が4まで数えて、他全員で5~8。
・ストレッチの声出しはONとOFFの切り替えのため。
 「これから練習を始めるぞ!」と気持ちを切り替えるために、
 練習を始めるための準備なのだから、全員で大きな声を出す。
・下半身を中心にゆっくりと丁寧に伸ばします。
 体が接触し合う事も考え、上半身もしっかりと伸ばします。
・ストレッチを行う際は、どの部分が伸びているのかを意識するだけで、
 効果が変わってきます。
 雑に、見よう見まねでやっていると、ほとんどストレッチの効果がありません。
 真剣にストレッチを行うと、それだけで大量の汗をかきます。
 
●GKトレーニング+FPメンタルトレーニング(1)
・GKがゴールラインに立ち、FPは第2PKマークに、縦並びで待機。
 GKがFPに向かって軽くボールを転がすので、FPは少し走り込んで、ノートラップで
 GKの正面にグラウンダーでインサイドキックをする。
・ノーミスで10本連続プレー。
 
●GKトレーニング+FPメンタルトレーニング(2)
・上記プレーを、GKの正面に浮き球でインサイドキックをする。
・ノーミスで10本連続プレー。
 
●キック+メンタルトレーニング
・4人と4人が3mぐらいの短い距離で向かい合う。
 片方がボールを足下に投げる役で、反対サイドがインサイドキックをする。
・ボールを投げた人は即、蹴る側の列の最後尾へ走る。(その場から抜ける)
 蹴る人は、インサイドキックで、正面の人の胸辺りに蹴り返す。
 インサイドキックをしたら、すぐに投げる側の列の最後尾へ走る。
 (その場から抜ける)これの繰り返し。
・20本連続で、ノーミスで続けるまで終わらない。

※12~20人ぐらいいるならば2チームに分けて、どちらが先に
 一回もミスしないで20本連続で続けられるか競うとゲーム形式になるので、
 楽しみながらレベルアップ出来る。

※メンタルトレーニングとして
・20本連続でノーミスで続けるのは終わりに近づく程プレッシャーがかかる。
 17,18,19回目が自分に回って来た時に、「嫌だなぁ」「失敗するかも」と、
 思ってしまったらマイナスでしかない。どれだけ平常心でプレー出来るか。
 例えば、1,2,3回目ぐらいだったらマイナスな気持ちにならず、リラックスして
 プレー出来ているはず。その時と同じ気持ちで、17,18,19回目をプレー出来るか
 どうかがポイント。常に平常心でプレー出来るように、このような遊びの中から、
 【心】を鍛えるメンタルトレーニングを、取り入れるべきだと思います。
・同じ選手が、何回もミスをすることがあると思います。そのミスを、チームメイト
 として、どう思えるかで、チーム力がわかる。
 チームメイトのミスを、「ドンマイ」「気にするな」「大丈夫、大丈夫」と、
 励ましてあげることで、その選手は次のプレーを成功させられるかもしれない。 
 しかし、ミスの多い選手の番に回って来た時に、「またダメだよ」「失敗するかも」
 という雰囲気を醸し出したり、マイナスになる言葉を発してしまったら、
 成功する確率は、当然下がる。当たり前の話です。チーム力を向上させたいならば、
 技術が低い選手の技術力が向上すれば、それがそのままチーム力の向上につながる。
 そのように仕向けられる選手が多ければ多いほど、チーム力は向上する。
 逆に、チームメイトのミスをけなすことしか出来ない選手が多いチームは、
 チーム力は下がって行くでしょう。
 
●3対2~前プレ回避(1)~
・GKがボールを保持し、ゴールクリアランスからのスタート。
・オフェンスが3人、DFが2人。
・DFは横並びから始める。
・オフェンスはPKマークに1人、両ALAに1人ずつポジションを取る。
 3人は横一列になる。
・PKマークにいるFIXOにボールが出たら、DFのどちらかは、寄せ過ぎない
 距離のまま、左右どちらかのパスコースを限定していく。
 ALAにパスが出たら近い方のDFは縦を切る。
 最初にFIXOに寄せた選手はカバーリングのため後方に下がる。
 下がりながら1stDFへ指示を出し続ける。
・オフェンスはワンツーパス、パラレラ、ドリブルを駆使して
 ハーフウェーラインを越える。

●3対2~前プレ回避(2)~
・ゴールクリアランスからスタート。
 オフェンスの2人は、ペナルティエリアの高さで、サイドラインいっぱいまで
 開いて、横並び(平行)になる。
 もう1人はPIVOの位置に入り、トライアングルを作る。
・DFの2人は最初は内絞りでGKから直接PIVO当てされないポジションを取る。
・GKはオフェンス2人のうち誰に出しても良い。両サイドの選手は裏を狙ったり、
 フェイクの動きを入れたりする。

[ポイント]
・オフェンスの選択肢は4つ以上。 
 PIVOは張るだけでなくDFとDFの間に下りるプレーも必要。
・両サイドの選手が裏を狙って走った場合、1stDFはついて行かない。
 マンツーマンでついて行ってしまうと簡単にPIVO当てされてしまい、
 ボールを前に運ばれてしまう。
 両サイドの選手が上がって来たら、DF2人は連動し、指示を出し合いながら、
 ボールを前に運ばせないポジションを取る。
 サイドの選手がボールを持ったら、縦を切って寄せる。
 これだけで裏に蹴られなくなる。
 そして余っているDFがカバーリングの意識を強め、他の2人をケアする。
   
●3対3~前プレ回避~
・オフェンスの3人が、ペナルティエリアの高さに横一列になり、
 ゴールクリアランスからスタート。
 GKがパスを出したらDFはボール奪取を試みる。
・GKからのパスを受けた選手にもよるが、ALAは目の前のDFとの駆け引きをし、
 裏を狙うのかフェイクでフリーになるのか工夫する。
 FIXOがパスを受けた場合、DFに寄せられる事が多くなるので、
 腕と背中でブロックし、DFをブロックしながら足裏で、ボールを転がす
 ドリブルをするなど、ボールキープを徹底する。
 もちろんターンできるならターンしても良い。

※他にFIXOとALAのワンツーパス、パラレラ、ブロックなどを駆使して、
 前からのプレスを回避する。
・オフェンスがハーフウェーラインを突破したらオフェンスの勝ち。
・DFはボールを奪ったら得点を狙う。

●3対3~ボール奪取~
・ゴールクリアランスから始める。
 自陣では、オフェンス側の2人が両サイドラインに開き、GKからパスを、
 もらえる位置につく。
 もう1人は、相手陣内の第2PKマーク付近で、PIVOのポジションにつく。

[ボールの奪い所]
(1)DF側は、マンツーマンでマークにつくが、スタート時のポジションは、
 GKから直接、PIVOに当てられないように、2人共内絞り。
 GKからパスを受けた選手と、同サイドの選手は、まず一番最初に、
 縦のパスコースを防ぎ、そしてボール保持者が、楽にプレー出来ないように、
 体を寄せる。ここでボールを奪うことも考え、ルールの範囲内で体をぶつけ、
 縦を切ったままボール奪取を狙う。
(2)逆サイドの1人は、横パスをカット出来るように、少しサイドに開く。
 マーカーとの距離は4m程度。近すぎると裏を取られてしまうし、
 ボール保持者がパスを出さなくなる。わざと、ボール保持者がパスを出したく
 なる距離を取り、苦しい体勢から、人任せのようなパスを出して来たら、
 パスカットを狙う。この横パスをカット出来たら、得点の可能性が高まるので、
 スライディングしてでもパスカットを狙う。
(3)PIVOをマークしているFIXOは、前線にいる味方に「言葉」で、パスコースを切る
 指示を出し、DFの間へ下りて来た相手PIVOへ、パスを出させないようにする。
 前線のDFが、内を切ってPIVOに、パスを出させないようにした場合、
 ボール保持者は、ライン際のドリブルしか選択肢は無い。
 よって、ライン際をドリブルした際に、マンマークの選手は体を当てて、
 体勢を崩させ、FIXOはライン際で、ボールを奪うために一気に寄せる。
 前線の選手とFIXOでサンドする。

[約束事]
(1)縦切り
(2)体を寄せる、ぶつける、楽にボールを持たせない。
(3)PIVOへのパスコースを、消させる指示を出す。
(4)次に出るパスを、予測して奪う。連動してボール奪取。
(5)ボールを奪うのは、横パスか縦ドリブル。

<オフェンス>
・ゴールクリアランスを受けたボール保持者は、ファーストタッチで前を向く癖を
 つける。横を向いていては、選択肢が横パスメインになってしまう。
 前を向くことで、選択肢が縦、横、中の3つになる。
 自分の、目の前のDFの立ち位置によって、プレーを帰る。
 縦を切られていたら、下りて来たPIVOを使って、ワンツーパスで突破する。
 内を切られていたら、縦ドリブル、もしくはPIVOとパラレラ。
 DFが密集しているようならば、逆サイドへ一気に飛ばす。
 逆サイドへパスが出た時も、PIVOは2対1の数的優位を作るため、真ん中の
 DFとDFの間へ入って、ボール保持者と距離を縮める。
 
●ゲーム
 
 
<話した内容>
・接客業のアルバイトの経験がある選手は、自分の接客態度、そして、その時の対応を
 思い出して欲しい。そして、客の態度はどうだったか?
 欲しい物があり、それを買いたくてお店に行ったとしても、従業員の対応が
 悪ければ、そのお店で購入する意欲が薄れ、他のお店に行ってしまうし、逆に、
 自分が従業員だったとして、接客した際に、お客さんの態度が悪ければ、気分が悪く
 なり、いくら商品を販売するためだとは言え、なぜ態度の悪いお客さんにまで、
 謙らなければいけないのか、腑に落ちない思いをすることになります。
 気持ち良く接客することは、出来ません。
 それと、スポーツのトレーニング現場は、全く同じだと思って欲しい。
 どんなに優れた選手がいて、やる気が溢れていても、コーチがトレーニングについて
 勉強不足だったり、段取りが悪かったり、周りをまとめる努力をしなければ、
 どのような練習になってしまうか。
 逆にコーチ陣がトレーニングのための事前準備を徹底し、段取り良く進めようと
 しても、選手がダラダラ行動していては、スムーズに進みません。
 また、トレーニングに対する効果を説明しても、選手が聞く耳を持たなかったり、
 自分勝手な行動をしていたら、チームとして、まとまった効率の良いトレーニングを
 行うことは出来ない。よって、選手たちとコーチ陣、どちらが練習に取り組む態度が
 悪くても、質の良いトレーニングを行うことは出来ない。
 選手、コーチ双方がお互いを信頼し、お互いのために、思いやりのある行動を
 とることで、質の良いトレーニングを積むことが出来る。