ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

11,4/5「年下が、自身の欠点及び足りない点、よりレベルアップするためのヒントを、くれることもある」ユースチーム

☆U-23参加メンバー:史、雄、孝、武、雅

☆U-18参加メンバー:平、小、健、櫻、寿、蘭、外、裕、僚、俊、親、真、露、陽、原
 
 
●ペラドン
・10対10
・全員3タッチ制限。シュートは1タッチ。部位はどこでも可。
・手でパスをつないで、シュートはヘディング。
・相手ボールになったらボールを奪いに行く。縦のパスコースを切って、
 真ん中で奪う。(PIVOの前に出て奪う)
・負けチームは筋トレ。顎がつく位置まで深い、腕立て伏せの姿勢を1分キープ。
 
<話した内容>
・ペラドンは遊びの中に、フットボールで必要な要素が沢山詰まっている。
 ただ漠然とプレーをするのではなく、「今、この時、何がレベルアップ出来るのか」
 を考えてプレーをする。
 
[ペラドンでレベルアップ出来る内容]
 PIVOの前でパスカット、パスコースを限定させる指示、パスを出した後に走る、
 ワンツーパス、裏のへのロングキック、インサイドキックのコントロール、
 球際での体の正しい当て方、正しいヘディングシュート、ジャンプヘッドのクリア、
 前プレ回避、前プレの連動するDF、パスをもらう前に首を振る、選択肢を増やす、
 など。
 
・黙っていては、チームメイトがいつ、どこで、どこに、どのようなプレーを求めて
 いるのかわからない。超能力などないのだから、口を開く事で、良い
 チームワークが出来る。

 

●ブラジル体操
・つま先タッチ
・後ろに足振り上げ
・外側真横に足振り上げ
・腰振り
・肩甲骨閉じる、開く
・腕振り上げ
・肩回し
・股関節回し前後左右

※ストレッチは練習に参加する以上、全員が大きな声で数を数える。
 「自分は練習に参加しています」という意思表示として。
 大声を出して自分の内側から「やる気」を上げて行く。
 
●フィジカルトレーニング(1)~ボールを使用~
・4人1組を作り、そのうち2人はサイドラインまで開いた状態で向かい合う。
 サイドラインに開いた2人が各自ボールを足で保持する。
 他の2人はサイドラインまで開いた2人の間にお互い背中合わせでボールを
 見るようにして立つ。
・真ん中の2人はそれぞれ8の字を描くようにして、サイドラインに開いた選手の
 後ろを通るように動く。そして、選手の後ろを通り過ぎた時に反対側の選手から
 パスをもらい、インサイドキックでパスを元の選手に返す。
 8の字を描くように走るので、右回りの時は左足でパス。
 左回りの時は右足でパスを出す。
 
●フィジカルトレーニング(2)~ボールを使用~
・3人1組でボールを2個使用。
・コートの横幅を使ってプレーする。両サイドに1人ずつ(B,C)立ち、ボールを
 足で保持。ボールを持っていないプレーヤー(A)はボール保持者同士のちょうど
 中間に立つ。真ん中にいるプレーヤー(A)はお互い同時に動き出す。
 AはBに向かって走り、BはAが自分お1m手前まで来たら足裏で軽くパスを出す。
 Aはそのボールをインサイドor足裏で返す。その後、即ターン。
 パスした足でぐっと踏ん張り、そのまま真後ろへ急激にターンする。
 真後ろへターンしたら即加速。そして反対のボール保持者へ向かってダッシュする。
 そして今度は逆足で返す。これの繰り返し。
 
●3対1
・ボールは全てGKから出す。
・FPはセンターラインよりも後方(GKから見て奥)に下がり、
 右サイドライン際、コート中央、左サイドライン際の3箇所に分かれる。
・DF役は第2PKマーク付近で待機する。
・OFは全て1タッチプレー。2タッチ以上は禁止。
 パス8本以内でシュートまで行く。
 9本目がシュートは不可。最低でも8本目がシュートである事。
・DFはOFのパス本数を大声で数える。GKと連携してシュートブロックするため、
 OFのパスが何本目なのかGKに知らせる必要がある。
・OFが得点したらDFは同じ選手が連続して行う。
・OFがパスをミスしたり、シュートをミスしたらミスした選手がDFとなる。
・パスが8本を越えた場合は8本目のボールを蹴った選手がDFとなる。
・DFがパスの本数を数え忘れたら連続でDFを行う。

※GKを引き付けて、逆サイドのポストへ3人目が走り込んで無人のゴールに
 プッシュして得点するプレーが理想。
 
●2対2
・ハーフコートで2対2。
・マルチボールシステム。プレーヤーが、休む時間を無くす。
・ボールがラインを割った場合、相手チームのGKクリアランスから再開。
・コートを取り囲むように、ボールパーソンを配置し、ゴールポスト脇には、
 GKにボールを渡す役として、サーバーを配置する。
 GKがすぐにクリアランス出来るように、ボールを手際良く渡す。
・GKへのバックパスは無し。
・2分間、同4人がプレーする。
・DFは前から、縦切りでプレスをかける。
・ハーフコートのピッチサイズで、なおかつ相手DFは、常に前プレで来るので、
 裏を取ることを意識し、フェイクを有効活用しなければ、GKから良いボールの
 もらい方が出来ない。前後の動きで、DFと駆け引きを行うプレーを身につける。
・2対1の数的優位を作り出す動き(ワンツー、パラレラ、ブロック)を駆使して、
 局面を打開する。全体で見れば2対2だが、味方がフェイクやウェーブなど、
 工夫しながらパートナーに近づくことで、自分のマーカーを振り切って、
 2対1の、数的優位の状況を作り出すことが可能となる。
・1対1に強い味方がいるならば、アイソレーションを使うのも1つの方法。
・攻守の切り替えを早くする。
・攻めているゴールに背を向け、ボールをキープしているオフェンスがいるならば、
 後ろから正当なチャージで強く当たり、オフェンスのバランスを崩す。
 そして、可能な限り、ボールを奪うことにチャレンジする。
・オフェンスは、サイドラインに背を向け、常に攻めているゴールを向く姿勢で、
 GK及びパートナーからパスを受ける。
・オフェンス2人の距離が、サイドめいいっぱいに、広がれば広がるほど、
 自分たちをマークしているDFも、距離が広がるので、真ん中を使えるようになる。
 何も考えないで、ただ2対1を作ろうとしても、DFとDFの距離が縮まっていれば、
 DFとDFの間を使えないので、ただ漠然と2対1を作ろうとするのではなく、
 どうしたらDFとDFの間を広げられるか、工夫する動きも必要になる。
 フットサルの知識を身につける。
 
●ゲーム
・トップ選手+サテライト昇格選手+ユニバー+新高校一年生、対ユースチーム
・結果;5-0でユースチームの勝利
 
 
<話した内容>
・どんなに個人能力で相手よりも上回っていても、選手それぞれが勝手にプレーし、
 チームとしてのまとまりを欠いていては、団体競技で勝つことは難しいです。
 団体競技で、チームとして勝つには、チームとしての戦い方に統一性がなければ、
 攻撃も守備も機能しないので、当然得点力は落ちるし、個々それぞれがバラバラで
 守る守備は、簡単に数的優位を作られて、崩されてしまう。
 個人の力だけで戦うには、限界がある。
 個人能力が、プロと経験の浅いアマチュアぐらいの差ならば、個人の力一つで、
 勝利に導けるし、ごまかしながらの即興でも、十分機能する。
 しかし、ある程度の経験を積み、それなりに修羅場をくぐって来た、
 同程度もしくは少し下にいる相手との戦いでは、ほんの些細なミスをつかれ、
 そこからやられてしまう。ごまかしが通用する相手と、通用しない相手がいる。
 自分の力に自信を持つのは良いことです。しかし、過信することとは違う。
 特に、団体競技では、自分の能力をどこで活かすかが重要。
 苦手としているプレー、場所で、相手を見下したり、自分の力を過信した結果、
 相手にボールを奪われたり、チームをピンチに陥らせたり、チームにとって、
 迷惑をかけるようなプレーをしたら、勝てるものも勝てません。
 団体競技の試合で一番重要なのは、どうしたら相手に勝てるのかを分析し、
 それをチームとして実行することだと思います。
 自分の力をひけらかしたり、こんな奴らには負けないという、変なプライドで
 戦う選手が一人でもいたら勝てません。それがチームスポーツです。
 全員が一つのチームとして機能出来るように、尽力出来る選手が、上のカテゴリー
 でも活躍出来る選手ではないか。
・ユースチームに勝てないことを悔しがるのは良いこと。その悔しさを糧にして、
 次からの練習に励んで、レベルアップすることを考えれば、良い敗戦と言える。
 スポーツは年齢ではなく、実力がものを言います。年下に負けて悔しい気持ちは
 わかるが、それを冷静に分析し、受け入れることをしなければ前に進めない。
 年下に負けた、数カ月前、数年前までは自分よりも劣っていたと思う相手に、
 真剣勝負で負けることは本当に悔しい。しかし、その敗戦を受け入れ、なぜ
 負けたのか、何が足りなかったのかを自分で気づかなければ、これからも
 勝つことは難しいし、自身のレベルアップに繋がらない。
 年下が自身の欠点及び、足りない点、よりレベルアップするためのヒントを
 くれることもある。年下に負けることは、悪いことだけではない。
 そもそも、オープンリーグや大学リーグは高校生と大学生が混ざって、
 一つのチームとして戦います。ということは、大学生を破るだけの力をつけた
 高校生たちを、頼もしいチームメイトになったと思うことも出来る。
 大学生に勝てないような高校生たちでは、オープンリーグと大学リーグで
 経験あるチームや、個人能力の高いチームに勝つのは難しい。
 それらのリーグで勝つには、高校生の力が必要だし、個々のレベルアップも
 必要不可欠。だからこそ、大学生に勝った高校生たちと、一緒のチームとして
 戦うことを、楽しみと思えるようにもなって欲しい。
 そして、前回の敗戦を糧にして、大学生もレベルアップ出来れば、次の紅白戦で
 高校生に勝てれば、今度は高校生が悔しい思いをする。
 その悔しさがレベルアップに繋がることを考えれば、大学生と高校のチームが、
 どちらが勝つかわからないぐらい、お互い切磋琢磨していけば、同じクラブ内で
 良いライバルとして、レベルアップし合える環境が作れる。
 これは、非常に良い環境と言える。