ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

プレーの土台となるのは心!次に体・技

2015,12/3(木)に中学2年生のサッカー技術指導を、

マンツーマンで行ってきました。

 

どのようなことを指導したのか簡単に記録として記載致します。

トレーニングの参考にしていただけたら幸いです。

 

【ウォーミングアップ】

●2分程度、自由にドリブル。

・身体をほぐしながら、リラックスして。

●ストレッチ

・下半身、上半身を一種目5秒程度。

 

【ボールを使ったウォーミングアップ(1)】

・2人が前後に向かい合い、プレーヤーPとサーバーSに分かれる。

 SがPの足下にグラウンダーのパスを出し、Pはインサイドでその場に

 ボールを止めてバックステップで真後ろに下がって行く。

 SはPがその場に置いたボールに向かって行き、

 再度Pの足下へグラウンダーのパスを出す。これの繰り返し。

 ※右足トラップと左足トラップを二往復ずつ行う。

 

【ボールを使ったウォーミングアップ(2)】

・パス&ゴーを意識したジグザグパス交換。

・常に前足でプレーする。

・パスは1タッチで、相手の前足に出す。

 

【トレーニング~ボールタッチ~】

●その場で細かいステップを踏みながらのボールタッチ

(1)左右のインサイド→インサイドを細かく交互に。

(2)ダブルタッチ。右足→左足のダブルタッチから左足→右足のダブルタッチを交互に。

(3)片足でアウトサイド→インサイド→アウトサイド→インサイド

   ※両足行う。

(4)右アウトサイド→右インサイド→左アウトサイド→左インサイド→

   →右アウトサイド→繰り返し 

   ※両足でプレー。

(5)右アウトサイド→右足裏→左アウトサイド→左足裏→

   →右アウトサイド→繰り返し

   ※両足でプレー。

 

【トレーニング~突破のフェイント~】

●両足交互にシザースフェイントを入れながら、自由にドリブル。

●体重移動の解説

・まずDFを左右どちらかに動かす。そして、DFの膝に体重が乗った瞬間に逆を突く。

 すると、DFは片側に体重が乗った状態なので、

 急な逆方向への移動がスムーズに行えない。

 よって、簡単に抜くことが出来る。

●1対1のライン突破(1)

・3m幅でマーカーを置き、そのマーカーとマーカーの間にDFが立つ。

 DFは前後には動けず、マーカーとマーカーの間を一歩だけ左右に動ける。

 DFは一歩でも動いたら止まらなければいけない。

 オフェンスは細かいボールタッチ、シザースフェイント、ボディシェイプなどで、

 DFを左右に動かして体重を片側に乗せるように誘導する。

 DFが動くことによって空いたスペースにドリブル突破。

 DFを左右に揺さぶり、DFの膝に体重が乗った時に逆を突く

●1対1のライン突破(2)

・(1)と同様に3m幅でマーカーを置き、そのマーカーとマーカーの間に

 DFは片足で立つ。DFは前後には動けず、マーカーとマーカーの間だけ左右に動ける。

 片足で立っているので、片足(ケンケン)で動く。

・オフェンスはDFを左右に揺さぶり、DFの膝に体重が乗った時に逆を突く。

 

【体幹トレーニング】

・バランスディスクに前足(母指)を乗せた状態で、

 フロントランジを5秒キープ×5セット。

 ※左右行う

・バランスディスクの上で片足立ち。

 片足の(母指)を乗せた状態で、何秒キープできるか挑戦。

 ※左右行う

・バランスディスクの上で片足立ちしながらインサイドキック。

 サーバーが膝下ぐらいの高さめがけてボールを軽く投げるので、

 地面から上げている足でインサイドキック。

 片足10本×3セット

・バランスディスクの上に両足で飛び乗る。

 両足の母指に力を入れ、着地の時におへそを真下に落とすようにして

 重心を安定させる。

 体重を前後左右に動かさないことがポイント。

 

【1対1のドリブル突破】

・サイドライン際での1対1ドリブル突破を行う。

 

<ポイント>

(1)ボールを持っている側が有利なのだから、オフェンスから仕掛ける。

   ボールを保持しているのにその場に止まっていたら、DFがボールを奪いに来る。

   受け身も良いが、「受け身=かわすプレー」となるため、突破と言えない。

   突破するドリブルは、自分から仕掛けるドリブルです。

   自分から仕掛けなければ突破することはできません。

   相手が奪いに来る力を利用して、受け身でかわそうと思っていたら

   後ろから追いかけて来るディフェンスにボールを奪われてしまいます。

   よって、自分から目の前のディフェンスを抜きに行くこと。

(2)フェイントを仕掛ける間合いを身につける。

   DFとの距離が何mの位置でフェイントを入れるのか考える。

   距離を遠いところでフェイントを入れても効果は薄い。

   かと言って近づき過ぎればボールを足でつっつかれてしまう。

   ボールとDFの距離が2~3mのところでフェイントを使えるようにする。

(3)スペースを有効活用する。

   左右どちらかにボールを運ぶことでDFのポジションが若干ずれます。

   たった1mでもDFを動かすことで、使えるスペースは広がる。

   自分で意図してドリブルするためのスペースを作り出す工夫が必要。

   ※左右両サイド行う。

 

【正しい身体の入れ方(1)】

●ドリブル突破での身体の入れ方

・ドリブル突破しようとしている選手に対して、ディフェンスが追いかけて来た、

 というシチュエーションでの身体の入れ方を学ぶ。

・ボールをコントロールすることに集中し過ぎると、後ろから迫って来たディフェンスに

 身体をぶつけられてバランスを崩したり、ボールを失うことになります。

 よって、そうならないように自分から、先に身体をぶつけることが大事。

・オフェンスとディフェンスに分かれ、オフェンスがドリブルを開始している

 状態から始める。

 後ろからディフェンスが追いかけて行き、ドリブルしている選手は

 ディフェンスが自分の左右どちらから追いかけて来ているのかを察知し、

 ディフェンスが自分に並ぶより少し早く、自分の肩を相手の肩に当てる。

 その際、重心は低くして当たり負けしないようにすること。

   

※慣れて来たらドリブルのスピードとディフェンスが追いかけるスピードを速くして、

 より実戦に近い状況を作り出してプレーする。

 

●ドリブル突破での身体の入れ方(1)

・ボールが目の前に転がっていて、相手選手と平行の位置からボールを奪い合う、

 というシチュエーションでの身体の入れ方を学ぶ。

・2人がボール1個分の距離をおいて平行に並ぶ。(徒競走のスタートラインに並ぶ感じ)

 二人のうち、ボールを奪われる側が「せーの」と合図して、

 合図と同時に二人が一斉ボールを奪いに行く。

 平行にいる選手とボールを奪い合う場合、相手の体とボールの間に体を入れてしまえば

 ボールを楽にキープ出来る。

 そのためには相手の体勢を崩すショルダーチャージをしなければいけない。

 しかし、ショルダーチャージよりも楽で、より確実な技術を身につけることで、

 ファウルをせずにボールを奪うことができる。

 それは、「体を入れる」こと。

・腰を低くして重心を落とす。優先順位はボールを触ることではなく、

 「相手にボールを触らせない」ことです。

 球際の競り合いでボールを奪えない選手は優先順位が悪く、

 最初にボールを触ろうとするから身体の大きな選手などにパワーで負けてしまいます。

 まず一番最初にやることは、相手選手とボールの間に身体をねじ込むこと。

 ボールと相手選手の間に(1)腿→膝→足先という順に足を伸ばして行く。

 (2)ボールと対戦相手の間に足を入れた後、腕を真横に伸ばしながらお尻をねじ込む。

 (3)お尻と腕で相手選手の体を弾き飛ばす。

 

<話した内容>

・スポーツをプレーする上で上達するには、「心技体」というピラミッドの構築が必要。

 ピラミッドの一番下には選手を構築するための土台がなければいけない。

 選手にとって一番大事な土台は、「心」です。

 何事も「やる気」がなければ行動することができません。

 「やろう!」と行動を促すのは動機です。

 自分はこうなりたい、ああなりたい、これができるようになりたい、

 と思うからこそ行動することができます。

 その、理想の自分になるための気持ちが内在的欲求であり、

 内在的欲求がなければ人は行動することができません。

 外的欲求によって他人から無理矢理やらされることは、行動とは言えません。

 ですから、選手を形作るピラミッドで一番必要なのは、

 身体を動かすのに必要な「心」です。「心」が土台として一番下に来ます。

 「心」の次に来る、二番目に大事な要素は「体」です。

 どんなに技術を身に付けても、その技術を生かせるだけのスムーズな体の流れ、

 バランス感覚などがなければ宝の持ち腐れです。

 正しい体の使い方ができれば、より技術は高度なものに昇華することができます。

 技術を生かすも殺すも体です。

 最後に来るのは「技」ということになりますが、「技」をないがしろにしている

 わけではありませんし、必要無いと言っているわけではありません。

 「技」も大事な要素の一つです。だからこそ、ピラミッドの一番上に乗る物が

 「技」なんです。

 スポーツは他者や他チームと競い合うものです。

 競い合う相手がいるからこそ、競技になります。

 それでは、自分と全く同じ「やる気」があり、同じぐらいの身体能力の選手がいた場合、

 最後に勝敗を決する要素は何になるでしょうか?

 その最後の要素が「技」ということになります。

 どんなに足が速くても、どんなに身体が強くても、技術的ミスが多ければ

 勝負に勝つことは難しいです。

 逆に言えば、鍛えた身体に技術が身に付けば鬼に金棒と言えます。

 ぜひ、「心技体」のどれかを疎かにすることなく、

 全ての要素を大切にして成長させていってください。

 

 

以上がマンツーマンでの中学生サッカー指導内容でした。

参考にしていただけたら幸いです。