ジュニアの指導現場で気になったこと
今回はジュニアの指導現場を見ていて気になったことを書いてみたいと思います。普段何気なく見ていて、それが当たり前になってしまっていることもあるかもしれません。しかし、スポーツの指導で一番大事なことは何か?ということを考えると、実は「あれ?もしかしたら・・・」と思うことがあるかもしれません。
子どもは大人の道具や駒、ストレス発散のために存在しているのではなく、
ましてや大人の夢や趣味に付き合わされる存在でもありません。
子どもの人生は、その子自身のためにあります。
そのことを指導者や保護者は忘れていはいけません。
①コーチが子どもの保護者と監督の悪口を言っている。
→監督とコーチの関係はとても難しく、コーチとしては自分の考えを
通すことができないことから様々なストレスを抱えていることでしょう。
「もっとこうしたい」など・・・。
しかし、自分が抱えているジレンマや不満を保護者に愚痴として
言ったとしても何も改善されません。
改善するどころか逆効果です。
コーチが監督に対して不満を抱いていることを保護者が知ったら
「このチーム大丈夫?そんな関係性で良い指導ができるの?」と
不安になってしまいます。
ですから、何か言いたいことがあれば、直接口頭で「やんわり」と
伝えるか正式な議題として会議で話すことをおすすめ致します。
②子どもがいる所での喫煙(試合会場・練習会場・移動中など
→タバコの煙が子どもに及ぼす悪影響は誰もが理解しているはずです。
子どもに喫煙を勧める大人はほとんどいないのではないでしょうか。
喫煙所があったとしても子どもたちが喫煙所の近くを通った場合、
タバコの煙を吸うことになります。
それは良いこと、悪いことどちらでしょうか?
分別のつく大人ならばタバコを吸いたくても我慢するべきです。
スポーツの指導者なら尚更そう思います。
子どもに喫煙が良くないこと、吸ってはいけないことを【指導】
して欲しいです。
子どもたちのお手本となるべき指導者が子どもの前で喫煙する、
子どもたちにタバコの煙を吸わせるのは良くないことと思います。
喫煙は帰宅してからにしましょう。
③汚い言葉遣い、激しい口調
→ベンチで子どもたちに指示を出している時に、とても汚い言葉を
発している指導者をよく見ます。
不良のような言葉遣いや命令形、とにかく汚い言葉の数々。
指導者は子どものお手本にならなければいけません。
子どもたちが大人になった時、どのような言葉遣いをすれば
社会人として立派にやって行くことができるのか。
社会に出た時に汚い言葉を発して、職場や取引先などと上手く
やれるわけがありません。
不良を育成したいのであれば、それで良いでしょう。
しかし、プロのサッカー選手がもし汚い言葉を発していたら、
それを聞いた子どもたちはどう思うのでしょうか?
周りの人の目、世間体、チームの品格というものを考えると、
指導者は正しい言葉遣いをすることが重要と言えます。
また、子どもを脅すような口調、怖がらせる口調はプレーに
悪影響を及ぼします。
指導者は子どもたちのお手本となる言葉遣いをしましょう。
※どうしても怒りを覚えて感情的になりそうな時は一呼吸置いて、
深呼吸することをおすすめ致します。
④怒鳴り声
→汚い言葉や激しい口調と共に気になるのが怒鳴り声です。
子どもたちのプレーが気に入らないから怒鳴るのだと思います。
しかし、試合は練習でやったことしか出来ませんし、選手たちは
自分の力以上の物を出すことはできません。
よって、子どもたちのプレーがベンチにいる監督やコーチが思っている
以上に良くなかったとしても、それが実力です。
それが今までの練習で身に付けて来た物です。
スポーツは練習が全てです。
試合で起こったことに対してイライラしても意味がありません。
冷静にプレーを分析し、どうしてそのようになったのかを理解し、
それらを改善させるために次の練習に打ち込もうという気持ちになれば、
怒鳴ることはなくなると思います。
怒鳴る指導者は上手く行かない原因を選手に押し付けているのだと思います。
それよりも、そのようなプレーをするようなチームにしてしまっている
練習に全ての原因があることを理解するべきだと思います。
怒鳴り声で子どもたちは萎縮します。
「怒られたくない」「怒られるのは嫌」「怒られるからミスしたくない」
「ボールに触りたくない」というように、悪循環に陥ってしまいますので、
怒鳴れば怒鳴るほどプレーは悪くなって行きます。
勝つことなどできません。
怒鳴っても何も解決しないことを理解しましょう。
怒鳴ってプレーが見違える程良くなる子どもは皆無です。
怒鳴るのは止めましょう。
⑤ミスに対するダメだし
→子どもたちがプレーする度に、そのプレーについてダメ出しをする
指導者を見ます。※ベンチの近くで試合を観ている保護者の中にもいます。
「なんで止めないで蹴った?」「そこで取られるな」「なんでそこから蹴った」
「かわされるな」「軽い」など。
指導者の仕事はダメだしをすることではなく、ミスを改善させることです。
起きてしまったプレーに対して後だしジャンケンのように文句を言う。
怒ってダメ出しをする。それは正しい指導でしょうか?
子どもたちはサッカー経験が浅く、当たり前ですが大人の指導者よりも
技術が劣るので出来ないことばかりです。
子どもですから、出来ないことを当たり前と思えば「ダメ出し」を
しなくなるのではないでしょうか。
自分のプレーに対して文句ばかり言う指導者の言うことを、
誰が聞くのでしょうか?
きっと誰も言うことを聞かないと思いますし、子どもたちとの信頼関係を
築くことも難しくなると思います。
子どもたちのミスを指摘して、ミスを怒って萎縮させることが
指導者の仕事とは思いません。
大人(指導者)が子ども(選手)よりも技術があり、知識もあるのは
当たり前です。
それをひけらかすかのように、子どもたちの出来ない所を
「何で出来ないの!」というのは、指導していないことと同じです。
指導者はダメ出しをするのではなく、どうして出来ないのかを分析して、
ミスを改善出来る練習を行うことが仕事と思います。
⑥男女差別をする発言
→小学生の大会では女子チームと対戦することがあります。
中学生の大会でも対戦相手に女の子が数人いるというこがあります。
女子チームや女の子がいるチームと試合をしている時に上手く行かないと、
指導者がイライラして来て「なんで女子相手に点が取れないんだ」
「相手は女子だぞ!(見下したように)」というようなことを
言っているのを聞きます。
酷い時には「やる気あるのか!」と言うような時もあります。
それはどうしてでしょうか?
スポーツの得意不得意、技術の差、フットボールの実力に男女は
関係あるのでしょうか?
勝手に男>女と決めつけている発言をよく聞きます。
同じ小学生であればフットボールの実力は、努力して良い練習を
積んだ側が上だと思います。
もし女子チーム相手に劣勢に立たされている、思うようにプレー
出来ていないというのであれば、それは単純に相手の女子選手が
その指導者のチームの男の子よりも実力が上というだけです。
「相手が女子だから~」は全く関係がありません。
⑦無責任な発言
→試合中にある特定の子に対して、「もう試合に出さない」「帰れ」
「試合に出るな」「もう二度と来るな」という発言をよく聞きます。
これらの発言は指導者として不適切です。
更に、それらの言葉を言っても実際にそうしないことで、子どもたちは
「この人は口だけで、実際にはやらない人」と認識しますので、
正しいことを言った場合も説得力がなくなり、子どもたちから求心力が
失われて行きます。
「帰れ」「出さない」「来るな」と言う時は、本当にそのように
実行する時です。
言ったことを実行し、何があっても覆さない覚悟を持って発言して欲しいです。
それが出来ないのならば、やはり言うべきではありません。
他にもいくつか思ったことがありました。しかし、今回挙げた内容が特に「おかしいな?」と思ったことだったので、書いてみようと思った次第です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。