ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

フットサル初心者のためのドリブルトレーニング

フットサルのゲームや練習、

個サルなどでドリブルが上手く

できない方(初心者)を対象とした、

ドリブルが上達するための

トレーニングメニューを書いてみました。


トレーニングメニューの前に、

まずはフットサルの特異性についてお話します。

 

フットサルとサッカーの一番の違いは、

コートサイズです。

フットサルのコートはサッカーの

5分の1程度の大きさしかなく、

とても狭い(縦40m横20m)です。

よって、相手選手が常に自分の目の前

(2mぐらい前)にいる状況で

プレーすることになります。

ですから足裏や足の他の部位を問わず、

体から少しでもボールが離れると

相手選手がすぐにボールを奪いに体を寄せて来ます。

フットサルをプレーする時は、

このことを大前提として臨むことが重要です。

さて、ドリブルが上達するための

トレーニングメニューについてです。

 

最初に取り組むべきは、

自分がボールを扱えるドリブルの

最大速度を理解することです。

ボールを前に蹴ってどの程度の

スピードならボールが体から離れずに

ドリブル出来るか、を理解することです。

 

初級者対象のフットサルクリニックなどで

ドリブル練習を行うと、ボールがどんどん

体から離れて行ってしまって、

ボールに追いつけない人がたくさんいます。

それはボールを1回のタッチで強く

蹴りすぎていることが原因です。

ドリブルに慣れるまではボールを蹴るのではなく、

軽く押し出すだけで良いです。

ボールは球体ですので、軽く触るだけで

勝手に前に転がって行きます。

後はこの勝手に転がるボールに追いつくように、

左右の足を素早く細かく動かして

ボールについて行くことを徹底します。

これだけでボールが体から離れて追いつかない、

ということが無くなります。

 

ドリブルに慣れるまでは絶えずボールが

体から離れないようにする練習が必要です。

ボールが常に足の先(ボールに触れる部分)

から10~20cmほどの距離にあるように意識してください。

 

さて、その次は「顔」を上げるトレーニングです。

下を向いてボールばかり見てドリブルしていると、

目の前に敵がいるのか、味方はどの位置に

いるのかわかりません。

急に相手選手が現れて、気付いた時には

ボールを奪われているということもあります。

また、下を向いてボールばかり見て

ドリブルしていたことでGKに気付かず、

ゴール前のシュートチャンスを

逃してしまうこともあります。

 

ドリブルはボールを運ぶプレーの一つであり、

最も重要なプレーの一つと言えます。

下にあるボールばかり見ていては

周りの状況を把握することができないので、

パス、シュートともに最高のプレーを

することができないと言っても過言ではありません。

顔を上げて周りの状況を把握しておくことで、

いついかなる時でも瞬時にフリーの味方へ

パスを出すことができ、シュートチャンスに

シュートを打つことも可能になります。

 

最適な状況判断(ドリブルを次のプレーに繋げる)を

するには余裕がなければいけません。

顔を上げてドリブルすることで相手選手と

味方の両方の位置がわかるので、

余裕あるプレーをすることができます。

 

いきなりずっと顔を上げてドリブルするのは難しいです。

難しいからこそ練習しなければいけませんし、

これができればボールを奪われることが

なくなるだけでなく、チャンスに絡むことができます。

よって、フットサルがもっと楽しくなります。

慣れるまでは2回ボールに触れたら

1回顔を上げるような感じで、

徐々に顔を上げる回数を増やし、

顔を上げる頻度を増やして行くと効果的です。

 

特に難しいトレーニングをする必要はありません。

前述した体からボールが離れない

ドリブル(軽く押し出すだけ)をしながら

顔を上げるだけで良いです。

少しずつドリブルの速さ、顔を上げる

回数に変化をつけるだけで良いです。

 

これら二つのことができるようになって来たら、

次からはドリブルで使う様々な足の部位で

ボールをコントロールできるようになりましょう。

 

その前に、足の部位の専門用語を記載致します。
●足の内側(土踏まず辺りからくるぶし)=インサイド
●足の外側(小指からくるぶし)=アウトサイド
●爪先=トゥー
●足の裏=足裏

 

<ドリブルのバリエーション>
・右足インサイド→左足インサイドを交互に細かく触る。
(ボールを両足の間に挟むようにして)
・片足のインサイドとアウトサイドを2回ずつ交互に触る。
(イン→イン→アウト→アウトというように2回ずつ)
※利き足だけでなく、逆足も練習しましょう。
・両足のアウトサイドを2回ずつ交互に触る。
(右足アウト→右足アウト→左足アウトでボールを止める→
左足アウトで左側横に動かす→右足アウトでボールを止める→
右足アウトでボールを右側横に動かす→繰り返し)
・両足のインサイドとアウトサイドを1回ずつ交互に触る。
(右足アウト→右足イン→左足アウト→

左足イン→右足アウト→右足イン →繰り返し)
・両足のアウトサイドと足裏を1回ずつ交互に触る。
(右足アウト→右足裏でボールを止める→

左足アウトで左側横に動かす→ 左足裏でボールを止める→

右足アウトで右側横に動かす→

右足裏でボールを止める→繰り返し)


※ドリブルは「パス・シュート」を

行う前の1プレーに過ぎませんし、

パスコースを作るために横に動かすドリブル、

ボールを前に運ぶためのドリブル、

そして目の前の相手選手を抜く突破の

ドリブルなどもあります。

ゆっくりドリブルしながら顔を上げて、

相手選手と味方の位置を確認し、

味方が良い位置にいるからパスを出す、

相手GKの立ち位置が悪くて

シュートコースが空いているから

シュートを打つ。

といったプレーを行なうために

必要な技術であり、長い距離を

ドリブルしたり、ボールを持ったら

必ず目の前の相手選手を抜く

というプレーは、実はチームにとって

あまり良くありません。

試合中は目まぐるしく攻守が変わります。

いつ、いかなる時にどのような

ドリブルが効果あるのかを

考えることが大事です。

試合を想定し、状況に応じたドリブルが

できるように練習を積んで行ってください。

そして、必ず練習したことの成果を

発揮するために、沢山試合に参加して

達成度を確認するようにしましょう。

 

以上です。

ドリブルトレーニングの参考に

していただけたら幸いです。