ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

状況判断を早くする、判断能力を伸ばす!

全てのスポーツにおいて自分のおかれている状況を瞬時に把握し、
今何をすべきか、どのような行動が最適なのかを判断することは
その後のプレーや状況にものすごく影響を与えます。
F1などのモータースポーツでは、その一瞬の判断ミスが大事故に
繋がってしまいます。

フットサル・サッカーでの判断ミスや判断の遅さが事故を招くことはありません。
しかし、ボールを奪われて失点に繋がったり、得点チャンスを逃すことに繋がり、
最終的に勝利を逃すことになってしまいます。
 
逆に、その判断のスピードを早めたり、どのようなプレーが最適なのかを瞬時に
見極められたら、自分たちのチームにとって有利な状況を作り出せます。
フットサル・サッカーに必要な能力はボールコントロール技術や体力だけではありません。

技術があり、体力があり、大きな身体だったとしても最適なプレーを選択することが
出来なかったり、判断が遅ければ活躍することは難しいです。
ゴール前でのシュートチャンスでボールを止めずに打つのか、
それともトラップしてから打つのか。
自分で打つのか、それとも味方にパスを出すのか、など。
フットサル・サッカーでは常に最適なプレーの選択が求められます。

試合で活躍したり、より良い選手になるためにはメンタルの強さや判断力など、
目に見えない能力も必要です。

以下、簡単なトレーニングメニューを組んでみましたので、
チーム練習のウォーミングアップにいかがでしょうか?

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<判断能力向上トレーニング(1)>

・マーカーを4個使い、菱形のエリアを作る(約10m間隔)。
・プレーヤーは4人。
・体の向きは一人を見るのではなく、対角の選手と向かい合うようにして、
 右サイドの選手と左サイドの選手、そして正面の選手を見ること。
 常に自分以外の三人全員を見ること。
・各マーカーに一人ずつ立ち、ボールは4人で1個。
・ポジションチェンジすることを徹底。
・ボール保持者をA、右サイドをB、左サイドをC、正面をDとする。
・ボール保持者は左右どちらか好きなサイドへパスを出す。(正面はなし)
・ホール保持者はパスを出したらパス&ゴー。パスを出したサイドとは逆サイドに走る。
 ボール保持者AがBにパスした場合、AはCに向かって走る。
 CはAのためにスペースを空けると同時に、Aが空けたスペースを埋めるために
 Aが元いた場所へ走る。
・全員がスペースを空ける動きとスペースを埋める動きを繰り返す。

【ポイント】
・体の向きが悪いと判断も悪くなります。ボールウォッチャーはNG。
 ボールに集中してしまうと味方の空けたスペースがわからない。
 自分に向かって走って来た選手に気がつかない。
 体の向きを広角にし、自分以外の三人全員が見えるようにする。


<判断能力向上トレーニング(2)>
・マーカーを四つ用意し、四つのマーカーでY字を作る。
・マーカーはそれぞれ5m間隔。
・選手たちはY字の底辺に縦一列になって全員が並ぶ。
 選手たちの反対側(Yの頂点から3m離れた所にコーチは待機)
・コーチの合図で先頭は走り始め、先頭がY字の真ん中を越えたら
 後ろの選手たちは次々止まることなく走って行く。

パターン1)
コーチが左右どちらか一方の手を出すので、右手を出したら右斜め前方へ、
左手を出したら左斜め前方へ走る。

パターン2)
右手を出したら左斜め前方へ、左手を出したら右斜め前方へ走る。

パターン3)
右手がパーだったら右斜め前方へ、グーだったら左斜め前方へ、
左手がパーだったら左斜め前方へ、グーだったら右斜め前方へ走る。

パターン4)
右手がグーだったら右斜め前方へ、パーだったら左斜め前方へ、
左手がグーだったら左斜め前方へ、パーだったら右斜め前方へ走る。


<判断能力向上トレーニング(3):シュート練習>
・選手はそれぞれボールを手で持ち、センターサークルのキックオフマークを頂点に
 全員が縦一列に並ぶ。
・コーチは選手の正面3m手前で待機。
・選手はコーチに向かって手でボールをパスする。選手はパス&ゴー。
 投げたらすぐに真っすぐ走る。
 コーチがランダムで様々なボールを投げるので、ノートラップでシュートするのか、
 それともトラップしてシュートを打つのかを一瞬で判断する。
 右足で打つのか、それとも左足で打つのかも瞬時に判断する。
・トラップする場合もインサイド、インステップ、腿、胸、頭、
 どこでトラップするのかを一瞬で判断する。
 どうしたらすばやくシュートが打てるのかを判断すること。


<判断能力向上トレーニング(4):パスゲーム>
・ビブスを4色(4チーム)使ってのパス回し。
・青、赤、黄、白の4チームに分かれる。
・各チーム最大で4、5人。
・コーチが指定した色がディフェンス、他の3色がオフェンスとなり、
 パスゲームを行う。

(例)
コーチが「青」と言ったら、赤・黄・白の3色でボールを回し、
青がディフェンス。青チームがボールを奪いに行く。
ゲームの途中でコーチが違う色を言ったら即対応する。
青チームがディフェンスをしている最中、コーチが「赤」と言ったら
赤チームがボールを奪いに行き、青チームはパス回しに参加する。
攻守の切り替えをどれだけ早く出来るか、回りの色を見渡す視野の確保、
状況判断を鍛える。

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以上です。チーム練習の参考にしていただけたら幸いです。

体の小さい選手に立ち向かって欲しいこと

体の小さい選手がサッカー・フットサルで必ずぶつかる壁は、

体格差による当たり負けと後ろから追いつかれることの二つです。

小学生・中学生だけでなく、高校生でも身体の小さい選手はいます。
身体が小さい選手は大きな選手に当たると、跳ね飛ばされます。
ドリブルで抜いたとしても後ろから追いつかれてしまいます。
これらは体格差に原因がありますので、仕方のないことです。

10代の若い選手で体の小さい選手は、体の大きな選手にぶつかった場合、
その多くは当たり負けをして跳ね飛ばされてしまいます。
私はその後が大事だと考えます。

体のぶつかり合いに負けたからといって、「自分はダメなんだ」と思わないことです。
体が小さければ、大きい選手に跳ね飛ばされるのは当たり前のことです。
サッカー・フットサルは体が小さい選手でも活躍出来るスポーツです。

骨を強くすること
体を強くすること
技術を磨くこと
状況判断を早くすること

これらを伸ばして行くことで体の大きい選手相手にも
十分戦うことが出来ます。

●骨を強くすること
栄養ある物をバランス良く食べて、沢山睡眠を取る。

●体を強くすること
体の大きい選手相手にぶつかること、跳ね飛ばされることを恐れず、
何度も自分から「当たりに行く」ことに意味があります。
何度跳ね飛ばされても怖がらずに「体を当てること」を繰り返すことで、
自然と体が大きくなって行きます。
人と人がぶつかることによって筋肉は刺激を受けます。
それだけで十分筋トレと同等の効果があります。
当たり負けをするからといって、接触プレーを避けてしまっては
試合の中で体を鍛えることが出来ません。
試合や練習というフットボールをプレーする中で体を鍛え、体を大きくする努力をし、
課題が克服出来るようになることが理想です。
競争で追いつかれそうな時は首を振って後ろを確認し、
追いかけて来たディフェンスと並びそうな時に
自分から肩を当てることが出来ます。

●技術を磨くこと
チーム内外で周りの選手を圧倒するほどの技術を身につける。
ボールコントロール、ステップ、腕の使い方、体の使い方、ボールの奪い方、
視野の確保などを向上させ、誰にも自分のプレーを邪魔されない選手になる。
体格の違いは接触した時、競争する時に差が現れます。
よって、相手選手に触れられないように、かわせるテクニックを身に付け、
追いつかれたディフェンスを再度いなすことが出来るテクニックを身に付け、
先に奪われたボールを奪い返せるディフェンステクニックを身に付ければ良いです。
これらが出来れば全く問題ありません。

●状況判断を早くすること
体のぶつかり合いで負けてしまうならば、体を当てられる前にボールを離し、
次のプレーのためのパスを出して再度リターンパスを受けるプレーもあります。
そうすれば体のぶつかり合いをせずにボールを保持し続けられます。
ワンツーパスの繰り返しを、イメージして下さい。
試合の中で常に数的優位を作り出し、複数人でショートパスを次々に
繋げられるようにポジション修正すること。
そしてそれを可能とするのは視野の確保です。
ボールを持っていない時に周りの状況を把握すること。
1タッチなのか2タッチなのか、それともボールを保持出来るのかなど。

私の身長は166〜167cmです。
それでもブラジル人選手を相手に当たり負けすることなく
プレーすることが出来ました。
体の大きさのハンデがあるならば、体の小さい選手にしか出来ない、
自身の特徴を活かしたプレーも重要です。

骨を強くすること
体を強くすること
技術を磨くこと
状況判断を早くすること

これらを意識してトレーニングを続けて行けば
きっと、大きい選手に勝てる日が来ます。

ランニングフォームを改善することでスピードに変化が現れる

走るスピードが遅くても良いと思うスポーツ選手は、きっといないはずです。 誰もが速く走れるようになりたいと願っているのではないでしょうか。

現状のスピードに満足していない、少しでも速くなりたいと願うならば、 走るトレーニングをするなどの努力が必要です。

まずは自分の走るフォームを客観的に分析することから始めましょう。 そして修正点を見つけ、フォームを改造し、速く走れるように工夫します。 フォームをチェックし、直すだけで走るスピードに変化が現れます。

ものすごく速くなりたいというのであれば体幹トレーニングや筋トレを頻繁に行い、 全速力ダッシュを何本も走らなくてはいけません。 しかし、ほんの少し、気持ち程度でも良いというのであれば、 フォームを改善するだけでスピードの変化を実感することが出来ます。 「これなら自分にも出来るかも」と思いませんか?

ものすごくキツいトレーニングを毎日のようにやるのは、とても辛いです。 根気が必要です。速く走れるようになる前にトレーニングが嫌になってしまいます。

そうならないように、 走るスピードを速くする、 誰々よりも速く走れるようになりたい、 チームで活躍出来るようになりたい、 と思うのならばまずは簡単なことからやって行きましょう。

トレーニング自体が嫌になってしまったら現状維持がやっとです。

●正しい、走り方の解説 走るフォームはオリンピックなどの短距離走者のフォームをイメージします。 腿を高く上げて、股関節を使って走る。 股関節を使わないと、腿の筋肉に負担がかかり、疲労もたまってしまいます。 視線は3m手前を見て、自然に顎が引く姿勢を取る。 顔を上げてしまうと、体重が後ろに傾いてしまいます。 下を向いてしまうと前傾姿勢になってしまいます。 前傾姿勢だと地面を蹴るような走り方になってしまうため、スピードが出ません。 地面を蹴るような走り方は、前に進みたくても上半身が邪魔をしてしまいます。 それが速く走れない原因です。 速く走る秘訣は、股関節を引き上げ、自転車のペダルをこぐように、 股関節を回転させるように足を前に出すことです。 目の前のロープをまたぐイメージです。 そして、親指の付け根である母子球を使って踏ん張ります。 右足の母子球が地面についた瞬間に左足を上げ、 左足の球が地面についた瞬間に右足を上げる。 この動作を素早く行うと自然と足が動きます。 これに股関節の回転を加えることでスピードに変化が現れます。 腕は肘を90度に曲げる。90度に曲げて肘を重りのようにして振ります。 腕と足は連動しているので、腕を速く振れば振るほど足は速く前に出ます。

 

●ランニングフォームの確認 ・ボールを両手で持って、20m走る。 ※腕を振らないで走ることがどんなに辛いことなのかを感じるため。 ・ボールを持たないで、前述した正しいフォームで走る。 ボールを両手で持っている時と両手を自由に振れる時、どちらが走りやすいかを感じること。 ・二人一組を作り、お互いに走り方をチェックする。 どちらか片方が走り、もう片方は走らないでフォームをチェックすること。 前傾姿勢になっていたり、股関節が上がっていない場合はパートナーが指摘する。

一人で自主トレするのは強い思いがないと辛いので、 出来るならば仲の良い友人や仲間と一緒にやると良いと思います。

フットサル初心者のためのドリブルトレーニング

フットサルのゲームや練習、

個サルなどでドリブルが上手く

できない方(初心者)を対象とした、

ドリブルが上達するための

トレーニングメニューを書いてみました。


トレーニングメニューの前に、

まずはフットサルの特異性についてお話します。

 

フットサルとサッカーの一番の違いは、

コートサイズです。

フットサルのコートはサッカーの

5分の1程度の大きさしかなく、

とても狭い(縦40m横20m)です。

よって、相手選手が常に自分の目の前

(2mぐらい前)にいる状況で

プレーすることになります。

ですから足裏や足の他の部位を問わず、

体から少しでもボールが離れると

相手選手がすぐにボールを奪いに体を寄せて来ます。

フットサルをプレーする時は、

このことを大前提として臨むことが重要です。

さて、ドリブルが上達するための

トレーニングメニューについてです。

 

最初に取り組むべきは、

自分がボールを扱えるドリブルの

最大速度を理解することです。

ボールを前に蹴ってどの程度の

スピードならボールが体から離れずに

ドリブル出来るか、を理解することです。

 

初級者対象のフットサルクリニックなどで

ドリブル練習を行うと、ボールがどんどん

体から離れて行ってしまって、

ボールに追いつけない人がたくさんいます。

それはボールを1回のタッチで強く

蹴りすぎていることが原因です。

ドリブルに慣れるまではボールを蹴るのではなく、

軽く押し出すだけで良いです。

ボールは球体ですので、軽く触るだけで

勝手に前に転がって行きます。

後はこの勝手に転がるボールに追いつくように、

左右の足を素早く細かく動かして

ボールについて行くことを徹底します。

これだけでボールが体から離れて追いつかない、

ということが無くなります。

 

ドリブルに慣れるまでは絶えずボールが

体から離れないようにする練習が必要です。

ボールが常に足の先(ボールに触れる部分)

から10~20cmほどの距離にあるように意識してください。

 

さて、その次は「顔」を上げるトレーニングです。

下を向いてボールばかり見てドリブルしていると、

目の前に敵がいるのか、味方はどの位置に

いるのかわかりません。

急に相手選手が現れて、気付いた時には

ボールを奪われているということもあります。

また、下を向いてボールばかり見て

ドリブルしていたことでGKに気付かず、

ゴール前のシュートチャンスを

逃してしまうこともあります。

 

ドリブルはボールを運ぶプレーの一つであり、

最も重要なプレーの一つと言えます。

下にあるボールばかり見ていては

周りの状況を把握することができないので、

パス、シュートともに最高のプレーを

することができないと言っても過言ではありません。

顔を上げて周りの状況を把握しておくことで、

いついかなる時でも瞬時にフリーの味方へ

パスを出すことができ、シュートチャンスに

シュートを打つことも可能になります。

 

最適な状況判断(ドリブルを次のプレーに繋げる)を

するには余裕がなければいけません。

顔を上げてドリブルすることで相手選手と

味方の両方の位置がわかるので、

余裕あるプレーをすることができます。

 

いきなりずっと顔を上げてドリブルするのは難しいです。

難しいからこそ練習しなければいけませんし、

これができればボールを奪われることが

なくなるだけでなく、チャンスに絡むことができます。

よって、フットサルがもっと楽しくなります。

慣れるまでは2回ボールに触れたら

1回顔を上げるような感じで、

徐々に顔を上げる回数を増やし、

顔を上げる頻度を増やして行くと効果的です。

 

特に難しいトレーニングをする必要はありません。

前述した体からボールが離れない

ドリブル(軽く押し出すだけ)をしながら

顔を上げるだけで良いです。

少しずつドリブルの速さ、顔を上げる

回数に変化をつけるだけで良いです。

 

これら二つのことができるようになって来たら、

次からはドリブルで使う様々な足の部位で

ボールをコントロールできるようになりましょう。

 

その前に、足の部位の専門用語を記載致します。
●足の内側(土踏まず辺りからくるぶし)=インサイド
●足の外側(小指からくるぶし)=アウトサイド
●爪先=トゥー
●足の裏=足裏

 

<ドリブルのバリエーション>
・右足インサイド→左足インサイドを交互に細かく触る。
(ボールを両足の間に挟むようにして)
・片足のインサイドとアウトサイドを2回ずつ交互に触る。
(イン→イン→アウト→アウトというように2回ずつ)
※利き足だけでなく、逆足も練習しましょう。
・両足のアウトサイドを2回ずつ交互に触る。
(右足アウト→右足アウト→左足アウトでボールを止める→
左足アウトで左側横に動かす→右足アウトでボールを止める→
右足アウトでボールを右側横に動かす→繰り返し)
・両足のインサイドとアウトサイドを1回ずつ交互に触る。
(右足アウト→右足イン→左足アウト→

左足イン→右足アウト→右足イン →繰り返し)
・両足のアウトサイドと足裏を1回ずつ交互に触る。
(右足アウト→右足裏でボールを止める→

左足アウトで左側横に動かす→ 左足裏でボールを止める→

右足アウトで右側横に動かす→

右足裏でボールを止める→繰り返し)


※ドリブルは「パス・シュート」を

行う前の1プレーに過ぎませんし、

パスコースを作るために横に動かすドリブル、

ボールを前に運ぶためのドリブル、

そして目の前の相手選手を抜く突破の

ドリブルなどもあります。

ゆっくりドリブルしながら顔を上げて、

相手選手と味方の位置を確認し、

味方が良い位置にいるからパスを出す、

相手GKの立ち位置が悪くて

シュートコースが空いているから

シュートを打つ。

といったプレーを行なうために

必要な技術であり、長い距離を

ドリブルしたり、ボールを持ったら

必ず目の前の相手選手を抜く

というプレーは、実はチームにとって

あまり良くありません。

試合中は目まぐるしく攻守が変わります。

いつ、いかなる時にどのような

ドリブルが効果あるのかを

考えることが大事です。

試合を想定し、状況に応じたドリブルが

できるように練習を積んで行ってください。

そして、必ず練習したことの成果を

発揮するために、沢山試合に参加して

達成度を確認するようにしましょう。

 

以上です。

ドリブルトレーニングの参考に

していただけたら幸いです。

2対1に特化したトレーニング

フットサルのチーム練習において、2対1に特化したトレーニングについて書きたいと思います。

 

●対面パスの効果、目的、質を高めるための解説

・対面パスはインサイドキックのフォームを確認(修正)するには良い練習方法と言えます。
しかし、実際の試合では正面で向かい合った2人がパス交換することはほとんどありません。
ですから、2人1組で向かい合った対面パスは、インサイドキックのフォームを
確認したり修正したい時だけ簡単に行えば、それで十分な練習です。


・インサイドキックの精度を試合で使えるレベルまで高めるためのトレーニングとしては、
試合を想定することが必要になります。
インサイドキックはキックの種類では一番精度が高められるキックですので、
短い距離のパス交換ではインサイドキックを蹴ることになります。
短い距離のパス交換とは横パスのことであり、その試合中の横パスを想定した
練習を行うことで試合と同等の負荷をかけられますので、
試合で使えるレベルのキック精度に高めるための練習ができます。

 

【ウォーミングアップ】

●対面パス(1)
・2人1組に分かれてボールを1個保持し、5m間隔で向かい合って
インサイドキックのパス交換。
・攻めるゴールを設定し、攻めるゴールを向いた状態での横パス交換。
・基本となるプレーを抑えて欲しいので、まずは受け手と出し手をはっきりする。
・受け手は常にフェイクを入れる。
・出し手はフェイクなしで、受け手のフェイクのタイミングにあわせてパスを出す。
・逆サイドも行う。

※フェイクは後ろ足からのクロスステップで、肩を攻めるゴールに向ける。
裏を取れれば走ってしまえば良いだけなので、本当に裏に走るフォームで、
大きく一歩を踏み出す。フェイクの後の動作として、後ろに戻ることはしません。
DFラインを押し上げたいので、フェイクのステップ後はその場に止まる。

●対面パス(2)
・(1)と同様にプレー。
・相手からのパスを足裏で前方に真っすぐ軽く押し出して、
一歩踏み込んでからパスを出す。

※ボールをその場に止めると、踏み込むことができないので蹴りにくいです。
前方にボールを軽く押し出すことで一歩踏み込めるので、パスが出しやすくなります。

●対面パス(3)
・(2)と同様にプレー。
・トラップしてからパスを出すまでに1秒半以下でプレーする。
トラップからパスまで2秒かけないよう、プレースピードを上げる。

 

【トレーニング】

●横パスからのパラレラ
・上記のように試合を想定した横パスから、2人で「声」でタイミングをあわせる。
・横パス→トラップ→「パラ」の声→「横パス」→パラレラのパス→突破のラン

※必ずパラレラのパスを出してから走る。ボールを追いかけるようにする。
パラレラからはシュートで終わりたいので、ボールが前にあればシュートが打てる。
先に走り出して、走ってからパスを出したらボールが後ろから出て来ることになる。
後ろから出て来るパスはシュートを打ちにくい。

 

●横パスからのワンツーパス
・上記のように試合を想定した横パスから、2人で「声」でタイミングをあわせる。
・A横パス→Bトラップ→B「ワンツー」の声→BがAに寄って行く→Aは足裏で軽くパス
→Bがスルーパス→Aが突破のラン

※Aの足裏パスはBに向かって真っすぐ転がす。前や後ろにずらさない。
前に出すとボールがDF近くになって、奪われてしまう。
後ろに下げるとスルーパスを出しにくい。

 

●試合を想定しての2対2
・オフェンス2人対ディフェンス2人をハーフコートでプレー。
・ゴールクリアランスからスタートし、オフェンスはハーフウェーラインを越えれば勝ち。
ディフェンスはボールを奪ったら対面のゴールに対して攻め、シュートまで持って行く。
・ディフェンスの2人はマンツーマンDFの設定でそれぞれ1人ずつマークし、正面に立つ。
・DFがマンツーマンなので、オフェンス側はディフェンスが密着していることを利用して、
DFの裏のスペースを狙う動きをすること。
・横パスを出した選手がDFの裏を狙うように、クロスステップでDFの肩よりも
若干後方へステップ移動する。
DFがついて来たら、その場に止まります。

※下がってしまうとボールラインを押し上げられず、もったいない。
ボールラインを押し上げたいので、DFがついて来たら「その場に止まる」こと。

・ボールを保持している選手は、逆サイドで裏を狙う動きから急に止まった選手に
横パスを出し、自身も同じようにクロスステップでDFの背後をつく。
DFがついて来たら、その場に止まります。
・横パス→DFの背後へクロスステップで移動→DFが下がる→止まる→パスを受ける→横パス
ひたすら、これの繰り返し。
ディフェンスはパスカットを常に狙っておく。
狙い過ぎると裏へスルーパスを通されてしまうので、注意する。
ディフェンスがパスカットを狙うということは、意識及び姿勢が前がかりになるので、
いつか裏が取れる。それまでパスミス/トラップミスすることなく我慢する。
ディフェンスの姿勢/体重のかかり具合を見計らって、裏を取る。

※攻守の切り替え有り。

 

●2対2からの2対1
・2対2をハーフコートでプレー。
・オフェンスとディフェンスに分かれてプレー。
・オフェンスは前のトレーニングで行ったパス交換を繰り返しながら、
2対2を2対1にできるタイミングを掴む。
極力、「横パス→裏を狙う」のプレースピードを速める。
一人の選手がずっとボールを保持してしまうとボールが動かないので、
ディフェンスの目と首も動きません。
よって、ボールを持って止まったところを寄せられてしまいます。
そのため、オフェンスは常に目の前のディフェンスの裏を狙う動きが必要になる。
「裏を狙う」という選択肢が増えることによってディフェンスは前がかりになることが
できなくなるので、横パスを出しやすくなります。
イメージとしては、横パスを出そうとすることでディフェンスを引きつけ、
ディフェンスが食いついてきたら、裏に飛び出す。
そしてディフェンスが頑張ってついて来たら、フェイクで止まる→横パスを受ける。
これの繰り返しになります。

 

<2対1を作る方法>
(1)DFとDFの間に入ることによって、局地的に2対1の状況を作れます。
間に入った選手に対するディフェンスは後ろに位置することになるので、
間へのパスを前でカットすることはできなくなります。
よって、間に入った選手とワンツーパスでDFを崩せるようになります。

(2)ワンツーパス
出し手が受け手に寄って行ってワンツーパス。
DFとDFの間が門のように開くことによってスルーパスが出せます。
そのパスを通すことができる状況は2対1です。

(3)パラレラ
パラレラは縦のワンツーとも言えます。
一般的なワンツーパスは横のワンツーパス。


<総括>
全ての局面でオフェンス側が数的優位になれれば、得点チャンスを作り出すことができます。
4対4を4対3にしたとしても、局面だけ見れば2対1です。
いかに局面で2対1を作りだせるかに勝敗がかかっていると言っても過言ではありません。
フリーランニングや「声」などのコミュニケーション、この二つで数的優位は作り出せます。

GKトレーニング

GKトレーニングを書いてみました。


●ウォーミングアップ
・2分程度、軽くランニング
・止まった状態のストレッチを各種3秒程度
・ゴムチューブトレーニング
・筋トレ
・股関節のダイナミック運動
※止まった状態で股関節を伸ばすのではなく、動かします。
(1)仰向けになって片足をまっすぐ伸ばしたまま、腰まで上げて下ろす。
(2)インナリング
(3)伸脚を行う姿勢で曲げている側の足の膝に手を当てて、上下に動かしながら。
(4)上記と同じ姿勢で爪先を地面に寝かせて、(3)と同じように上下に動かす。
(5)立った状態で、腰の高さのハードルをまたぐイメージで股関節を回す。


●グラウンダーのスロー
・2人1組、2m程度の距離で向かい合い、お互いにそれぞれボールを1個ずつ持つ。
1人が右手で相手の左手にグラウンダーのスロー、もう1人が左手で相手の右手に
グラウンダーのスローを出す。お互いのボールをぶつけないように真っすぐ。
左右交互に合計20本。膝の屈伸運動を使うこと。


●浮き球のスロー(ロングパス)
・お互いにコート両サイドのゴールにそれぞれ分かれ、PKマークからロングスローを投げ合う。
ジャイロ回転をかけて、ボールが失速しないようにノーバウンドで投げ合う。
・下手投げで天井に届くぐらい高いボールを投げ合う。屈伸運動を使う。


●正面のキャッチ
・正面のグラウンダーのキックをしゃがんでキャッチ。しゃがんで片方の膝を逆足の踵に
つけるようにし、トンネルしないように壁を作ってキャッチする。×10本。
・正面の浮き球をオーバーハンドでキャッチ。×10本。
・正面の低い浮き球をアンダーハンドでキャッチ。×10本。


●左右に移動してのキャッチ
ゴールのポストからポストへサイドステップしながら、グランダーのキックを
しゃがんでキャッチ。
キャッチしたボールを返したら、即逆サイドのポストへ移動する。×10本。


●横への飛びつき(キャッチ)
・長座(足を伸ばした状態)
脇の下を抜かれないように、肘を曲げて手を地面すれすれまで落とす。
コーチが左右にボールを転がすので、肘を曲げて脇を絞り、
小指が地面をこするように、ボールまで手を伸ばしてキャッチする。
ボールに対して下の手は壁を作り、上の手はボールの上に蓋をする。
そうすればボールの威力に負けたり、マナーの悪い選手に蹴られることがなくなる。
キャッチしたら素早く足を伸ばして、元の座った状態に戻る。
左右交互に10本行う。
・膝立ち
上記と同様に左右10本行う。
左右のボールをキャッチしたら、素早く膝立ちの状態に戻る。
必ず膝立ちになってから、左右のボールに飛びつく。
・スタンディング
上記と同様に左右10本行う。
左右のボールをキャッチしたら、素早く立ち上がる。
必ず立ち上がってから、左右のボールに飛びつく。


●1対1の飛び出し(フォーム確認)
ペナルティエリアのラインに沿って、ボール5個を等間隔で配置する。
スタート地点はゴールの中心とボールを結んだライン。
基本は中腰。股を通されない足幅のまま、細かく素早く前進する。
中腰のままボールの位置まで飛び出して行く。
左右のボールはそれぞれ膝を折って、踵と膝で股抜きされないように壁を作り、
両手を開いて弾き返すような動作をする。
正面のボールは両足を閉じた状態で屈伸するようにし、
プレジャンプと同時に、両手を地面スレスレの位置で勢い良くボールを弾き返すように、
両足横でピタッと止める。
※毎回ボールからゴールまでバックステップで戻る。


●1対1の飛び出し(シュートブロック)
上記プレーを実際にシュートブロックまで行う。
ボールの位置まで来たらコーチがニアもしくはファーへグラウンダーのシュートを打つので、
身体でシュートを止める。
両手はボールを弾き返すようにする。


●1対1の飛び出し(膝滑り)
ペナルティエリアのラインに沿って、ボール5個を等間隔で配置する。
スタート地点はゴールの中心とボールを結んだライン。
中腰のままボールの位置まで飛び出して行く。
ボールの手前から両膝で滑り、膝でボールを押し出す。


●反応速度向上(横への飛びつき)
・バウンドボール
2人1組でボールをそれぞれ1個ずつ持ち、2m程度離れて向かい合う。
GKがアンダーハンドでボールを投げ、コーチがバウンドボールを投げる。
お互いがボールを同時に投げ合い、同時にボールをキャッチできるようにする。
ボールを投げ合っている最中に、コーチがランダムでバウンドボールを左右に放るので、
GKは咄嗟に飛びつく。
×10本。
・グラウンダー
上記と同様にプレー。
GKがバウンドボールを投げ、コーチがアンダーハンドでボールを投げる。
お互いがボールを同時に投げ合い、同時にボールをキャッチできるようにする。
ボールを投げ合っている最中に、コーチがランダムでグラウンダーのボールを左右に放るので、
GKは咄嗟に飛びつく。
×10本。


●足のシュートブロック
ゴールの右上角と左上角にビブスを取り付ける。(ビブスがヒラヒラするように)
・右下へのシュートブロックの場合
コーチの合図でGKが左上角のビブスを叩き、GKがビブスを叩いたと同時にコーチは
右下へグラウンダーのシュートを打つ。
GKはシュートを足でブロックする。
シュートが打たれたサイドの足を伸ばし、逆側の足は膝を曲げて外側に折るようにする。
上半身は起こしたままで、手を使って浮き球のシュートを防げるようにする。


●ボールを身体の正面でキャッチするトレーニング
・オーバーハンド
ゴールの中心に立ち、パワーポジションの姿勢で待機する。
コーチが頭の高さぐらいのボールを左右に投げるので、
ボールに対して外側の足を大きく一歩だけ踏み出し、
必ずボールを体の正面で掴めるようにする。
・アンダーハンド
上記と同様にプレー。
コーチが低いボールを左右に投げるので、アンダーハンドでキャチする。
ボールに対して外側の足を大きく一歩だけ踏み出し、
必ずボールを体の正面で掴めるようにする。


●瞬発力向上トレーニング
ゴールポスト前にうつ伏せになり、コーチの合図で素早く起き上がる。
コーチが浮き球のボールを逆サイドに投げるので、飛びついてシュートブロックする。
※パンチング、キャッチどちらでもかまわない。
×6本。


●反応速度向上トレーニング(複合動作)
・浮き球
右手左手交互に素早くバーをタッチして、すぐに右手左手交互に地面をタッチする。
地面をタッチしてすぐにコーチが正面にパントキックを蹴るので、
オーバーハンドでキャッチする。
×10本。
・グラウンダー
右手左手交互に素早く地面をタッチして、すぐに右手左手交互にバーをタッチする。
バーをタッチしてすぐにコーチが正面にグラウンダーのボールを蹴るので、
膝と踵で壁を作ってキャッチする。
×10本。


●コーディネーショントレーニング、持久力向上トレーニング
・サイドステップ
を3つ、ゴールの正面に二足長の幅で縦に並べる。
GKはマーカーコーンの間をサイドステップで抜けて、
最後のマーカーを越えたらコーチが左右にボールを転がすので、
転がされたボールに飛びついてキャッチする。
キャッチした後はバックステップで元の位置に戻る。
×10本。
・ジャンプ
マーカーコーンを4つ倒した状態で、ポストから外側へ二足長の幅横に並べる。
GKはマーカーコーンの間を両足ジャンプで飛び越え、
最後のマーカーを越えたらコーチがボールを転がすので、
転がされたボールに飛びついてキャッチする。
キャッチした後はサイドステップで元の位置に戻る。
左×6本、右×6本。

 

以上になります。GKの自主トレやチーム練習の参考にしていただけたら幸いです。

ジュニアの指導現場で気になったこと

今回はジュニアの指導現場を見ていて気になったことを書いてみたいと思います。普段何気なく見ていて、それが当たり前になってしまっていることもあるかもしれません。しかし、スポーツの指導で一番大事なことは何か?ということを考えると、実は「あれ?もしかしたら・・・」と思うことがあるかもしれません。

 

子どもは大人の道具や駒、ストレス発散のために存在しているのではなく、

ましてや大人の夢や趣味に付き合わされる存在でもありません。

子どもの人生は、その子自身のためにあります。

そのことを指導者や保護者は忘れていはいけません。

 

①コーチが子どもの保護者と監督の悪口を言っている。

→監督とコーチの関係はとても難しく、コーチとしては自分の考えを

通すことができないことから様々なストレスを抱えていることでしょう。

「もっとこうしたい」など・・・。

しかし、自分が抱えているジレンマや不満を保護者に愚痴として

言ったとしても何も改善されません。

改善するどころか逆効果です。

コーチが監督に対して不満を抱いていることを保護者が知ったら

「このチーム大丈夫?そんな関係性で良い指導ができるの?」と

不安になってしまいます。

ですから、何か言いたいことがあれば、直接口頭で「やんわり」と

伝えるか正式な議題として会議で話すことをおすすめ致します。

 

②子どもがいる所での喫煙(試合会場・練習会場・移動中など

→タバコの煙が子どもに及ぼす悪影響は誰もが理解しているはずです。

子どもに喫煙を勧める大人はほとんどいないのではないでしょうか。

喫煙所があったとしても子どもたちが喫煙所の近くを通った場合、

タバコの煙を吸うことになります。

それは良いこと、悪いことどちらでしょうか?

分別のつく大人ならばタバコを吸いたくても我慢するべきです。

スポーツの指導者なら尚更そう思います。

子どもに喫煙が良くないこと、吸ってはいけないことを【指導】

して欲しいです。

子どもたちのお手本となるべき指導者が子どもの前で喫煙する、

子どもたちにタバコの煙を吸わせるのは良くないことと思います。

喫煙は帰宅してからにしましょう。

 

③汚い言葉遣い、激しい口調

→ベンチで子どもたちに指示を出している時に、とても汚い言葉を

発している指導者をよく見ます。

不良のような言葉遣いや命令形、とにかく汚い言葉の数々。

指導者は子どものお手本にならなければいけません。

子どもたちが大人になった時、どのような言葉遣いをすれば

社会人として立派にやって行くことができるのか。

社会に出た時に汚い言葉を発して、職場や取引先などと上手く

やれるわけがありません。

不良を育成したいのであれば、それで良いでしょう。

しかし、プロのサッカー選手がもし汚い言葉を発していたら、

それを聞いた子どもたちはどう思うのでしょうか?

周りの人の目、世間体、チームの品格というものを考えると、

指導者は正しい言葉遣いをすることが重要と言えます。

また、子どもを脅すような口調、怖がらせる口調はプレーに

悪影響を及ぼします。

指導者は子どもたちのお手本となる言葉遣いをしましょう。

※どうしても怒りを覚えて感情的になりそうな時は一呼吸置いて、

深呼吸することをおすすめ致します。

  

④怒鳴り声

→汚い言葉や激しい口調と共に気になるのが怒鳴り声です。

子どもたちのプレーが気に入らないから怒鳴るのだと思います。

しかし、試合は練習でやったことしか出来ませんし、選手たちは

自分の力以上の物を出すことはできません。

よって、子どもたちのプレーがベンチにいる監督やコーチが思っている

以上に良くなかったとしても、それが実力です。

それが今までの練習で身に付けて来た物です。

スポーツは練習が全てです。

試合で起こったことに対してイライラしても意味がありません。

冷静にプレーを分析し、どうしてそのようになったのかを理解し、

それらを改善させるために次の練習に打ち込もうという気持ちになれば、

怒鳴ることはなくなると思います。

怒鳴る指導者は上手く行かない原因を選手に押し付けているのだと思います。

それよりも、そのようなプレーをするようなチームにしてしまっている

練習に全ての原因があることを理解するべきだと思います。

怒鳴り声で子どもたちは萎縮します。

「怒られたくない」「怒られるのは嫌」「怒られるからミスしたくない」

「ボールに触りたくない」というように、悪循環に陥ってしまいますので、

怒鳴れば怒鳴るほどプレーは悪くなって行きます。

勝つことなどできません。

怒鳴っても何も解決しないことを理解しましょう。

怒鳴ってプレーが見違える程良くなる子どもは皆無です。

怒鳴るのは止めましょう。 

 

⑤ミスに対するダメだし

→子どもたちがプレーする度に、そのプレーについてダメ出しをする

指導者を見ます。※ベンチの近くで試合を観ている保護者の中にもいます。

「なんで止めないで蹴った?」「そこで取られるな」「なんでそこから蹴った」

「かわされるな」「軽い」など。

指導者の仕事はダメだしをすることではなく、ミスを改善させることです。

起きてしまったプレーに対して後だしジャンケンのように文句を言う。

怒ってダメ出しをする。それは正しい指導でしょうか?

子どもたちはサッカー経験が浅く、当たり前ですが大人の指導者よりも

技術が劣るので出来ないことばかりです。

子どもですから、出来ないことを当たり前と思えば「ダメ出し」を

しなくなるのではないでしょうか。

自分のプレーに対して文句ばかり言う指導者の言うことを、

誰が聞くのでしょうか?

きっと誰も言うことを聞かないと思いますし、子どもたちとの信頼関係を

築くことも難しくなると思います。

子どもたちのミスを指摘して、ミスを怒って萎縮させることが

指導者の仕事とは思いません。

大人(指導者)が子ども(選手)よりも技術があり、知識もあるのは

当たり前です。

それをひけらかすかのように、子どもたちの出来ない所を

「何で出来ないの!」というのは、指導していないことと同じです。

指導者はダメ出しをするのではなく、どうして出来ないのかを分析して、

ミスを改善出来る練習を行うことが仕事と思います。

 

⑥男女差別をする発言

→小学生の大会では女子チームと対戦することがあります。

中学生の大会でも対戦相手に女の子が数人いるというこがあります。

女子チームや女の子がいるチームと試合をしている時に上手く行かないと、

指導者がイライラして来て「なんで女子相手に点が取れないんだ」

「相手は女子だぞ!(見下したように)」というようなことを

言っているのを聞きます。

酷い時には「やる気あるのか!」と言うような時もあります。

それはどうしてでしょうか?

スポーツの得意不得意、技術の差、フットボールの実力に男女は

関係あるのでしょうか?

勝手に男>女と決めつけている発言をよく聞きます。

同じ小学生であればフットボールの実力は、努力して良い練習を

積んだ側が上だと思います。

もし女子チーム相手に劣勢に立たされている、思うようにプレー

出来ていないというのであれば、それは単純に相手の女子選手が

その指導者のチームの男の子よりも実力が上というだけです。

「相手が女子だから~」は全く関係がありません。

  

⑦無責任な発言

→試合中にある特定の子に対して、「もう試合に出さない」「帰れ」

「試合に出るな」「もう二度と来るな」という発言をよく聞きます。

これらの発言は指導者として不適切です。

更に、それらの言葉を言っても実際にそうしないことで、子どもたちは

「この人は口だけで、実際にはやらない人」と認識しますので、

正しいことを言った場合も説得力がなくなり、子どもたちから求心力が

失われて行きます。

「帰れ」「出さない」「来るな」と言う時は、本当にそのように

実行する時です。

言ったことを実行し、何があっても覆さない覚悟を持って発言して欲しいです。

それが出来ないのならば、やはり言うべきではありません。

 

他にもいくつか思ったことがありました。しかし、今回挙げた内容が特に「おかしいな?」と思ったことだったので、書いてみようと思った次第です。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。