ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

「リフティングで得られる物」

☆U-15参加メンバー:前、侑、稜、風、秀、司

 
11,6/27(月) 練習レポート「リフティングで得られる物」
 
●アップ

・コートを左右3周ずつドリブル。
 体をほぐす事が目的なのでゆっくりと走る。

 左右の体重移動や負荷を左右均等にするため、左右両回り行う。
 

●足裏ボールコントロール(1)
・1人1個ボールを保持する。
・片足の足裏の一番力の入る部位でもある親指の付け根(母子球)でボールを押さえ、
 大きく前後に動かす。
・慣れて来たら軸足で細かいステップを踏みながら行う。
・左右両足行う。

●足裏ボールコントロール(2)
・1人1個ボールを保持する。
・片足の足裏の一番力の入る部位でもある親指の付け根(母子球)でボールを押さえ、
 左右両足を使ってボールを左右に大きく動かす。
・慣れて来たら軸足で細かいステップを踏みながら行う。

●足裏ボールコントロール(3)
・1人1個ボールを保持する。
・片足の足裏の一番力の入る部位でもある親指の付け根(母子球)でボールを押さえ、
 アルファベットの「V」を描くようにボールを、「右斜め前→足下→左斜め前→足下→右斜め前→足下」と繰り返して動かす。
・慣れて来たら軸足で細かいステップを踏みながら行う。
・左右両足行う。

●ボールコントロール(インサイド)
・両足の間にボールを置き、両足インサイドで交互に細かくタッチ。

●ボールコントロール(アウトサイド→インサイド)
・アウトサイドとインサイド、左右両足を交互に1タッチずつ。
 (右アウト→右イン→左アウト→左イン)

●ボールコントロール(アウトサイド→足裏)
・その場でプレー。
・右足アウトサイドで軽く右に弾き、右側に転がったボールを右足の足裏で止め、
 止めた足裏をボールから離し、ボールをまたぐようにボールの右側へ右足を着地させる。
 (ボールが右足と左足のちょうど真ん中にあるように)
 右足をボールの右側へ着地させたら左足の膝を内側へ折って、左足アウトサイドで
 左側へボールを弾く。
 左側に転がったボールを左足の足裏で止め、止めた足裏をボールから離し、
 ボールをまたぐようにボールの左側へ左足を着地させる。
 (ボールが左足と右足のちょうど真ん中にあるように)

・これの繰り返し。 
 
●ボールキープ(奪い合い)
・1人1個ずつボールを保持し、センターサークルの中にメンバー全員が入る。
・常にボールを体の近くに置きながら、自分以外全員のボールを全てサークル外に
 出す。
・なるべく背中を向けず、ボールを前に置いた状態で奪い合う。
・足裏、インサイド、アウトサイドを駆使してボールをコントロールする。
・後ろや横を向いてボールをキープしようとしないで、前を向いて相手とボールを
 さらしながらプレーする事を心がける。
 
●2対2~ゴール2個×2~
・2対2のゲーム
・両チームとも守るゴール2個、得点出来るゴールも2個用意。
・攻めの時は相手チームのゴール2個のうちどちらに入れても得点。
 守るゴールも同様に2個のため、どちらに入れられても失点。
・2個あるゴールのうちどちらのゴールに攻めれば数的優位を作れるか、
 瞬時に判断して攻める。
 
●ゲーム
・マンツーマンで守る。
・味方がボールを奪ったら、ボール保持者を両サイドが追い越す。
 数的優位(得点確率を高める)を作ってシュートまで持って行く。
・パスカットされて相手ボールになったら即自陣に戻る。
 ボールよりも後方へ下がるようにする。
 
●リフティング
・回数を制限するリフティングを全員が輪になってプレー。
 リフティングパスをする際に、相手に回数を伝える。
 パスをもらった選手は指定された回数内で他選手へパスする。
 
 
<話した内容>
・正直、「リフティングが沢山回数多くやれる=試合で活躍出来る選手」だとは
 思わない。実際にプロのサッカー選手でもリフティングが苦手な選手はいます。
 例えば、試合中にその場でボールリフティングを4,5回以上するような状況は
 生まれませんし、意図的にやったとしてもチームメイトにとっては迷惑なプレーで、
 対戦相手に囲まれてボールを奪われてしまいます。
 また、もし勝っている試合でサポーターを楽しませるためにやったとしても、
 それは負けているチームに対して挑発行為ともとれてしまうので、やるべきでは
 ないと思います。
 しかし、スポーツのトレーニングで無意味な物はほとんどなく、そのどれもが
 試合で必要になり得る技術を習得するために生み出されているので、リフティングも
 その例外ではありません。
 ポストプレーヤーが浮き球をトラップし、次のプレーにつなげるためには浮き球を
 最低でも1,2回は自由にコントール出来なくてはいけませんし、浮き球のパスを
 受けた時に足下や前方のスペースへコントロールする技術がなくては、パス及び
 シュートへ持って行くことが出来ずに得点チャンスの機会を失ってしまいます。
 リフティングが苦手な選手は、浮き球を次のプレーにつなげるためのボール
 コントロールも苦手ではないでしょうか。
 リフティングにも色々なやり方(プレー方法)があり、インサイドリフティング、 
 アウトサイドリフティングが出来れば、試合中にどこにボールが来ても、体の体勢
 が悪くて正面以外にボールが飛んで来てもスムーズにトラップすることが出来ます。
 また、インステップで膝ぐらいの高さへ無回転で真っすぐ真上に蹴るリフティングを
 10回程度でもやれるようになれば、ボールの芯を捉えられているということになる
 ので、シュート技術も身に付きます。ボールに回転がかかるようなリフティングしか
 出来ない選手は、シュート技術が高いとは言えないような気がします。
 子供やフットボールを始めたばかりの人たちが、リフティングで曲芸めいたことを
 やれる人のことを羨ましがる傾向にありますが、そこに「テクニックはあるが、
 サッカーが下手な日本人(ランダムハウス講談社/村松尚登 著)」につながる何かが
 垣間見えます。
 試合でチームの勝利に貢献出来、なおかつ一人の選手として自立出来る技術を
 身につけるのが練習だと思います。リフティングは100回も出来る必要は
 ありませんが、最低でもインステップ/インサイド/アウトサイドで、それぞれ10~
 20回出来ることで試合での活躍につながります。
 見方を変えて欲しいのは、リフティングが沢山出来る、曲芸的な技が出来る人=
 上手い人ではなく、それらの技術を試合で活かせる人=上手い人だということです。