ブラジル式フットサル講習会

ブラジル式フットサル講習会は、ポルセイド浜田監督(Fリーグ)を務める峯山典明(フットサルB級指導員)の指導論・育成フィロソフィーを掲載しているブログです。また、ブラジルで培って来た経験談、コラムも掲載しています。Copyright(C), 2005-2022 MIRACLON ブラジル式フットサル講習会 All rights reserved. このウェブサイトで掲載されている写真・記事・内容の出典を明記しない転載・無断転載・商用の転載を禁じます。

トレーニングで伝えるべきこと、 伝えてはいけないこと

5月7日(月)に書いた、

「一日のトレーニングをオーガナイズする」

という記事の続きになります。

 

トレーニングには必ず一日の目的があります。

 

週末に行われた試合で出た課題をクリアする、

良くなかったプレーを改善する、

チーム戦術を確立するために必要な

技術を各個人に身につけてもらう、

セットプレーの攻撃、

セットブレーの守備、

得点までの崩し、

ボールの奪い方、

などがトレーニングの目的になります。

 

大事なことは、その中で何を一番に

選手たちに伝えたいか、

改善してもらいたいか、

身につけてもらいたいか、

を明確にしなければいけない

ということです。

 

例えば、一日のトレーニングの課題が、

コーナーキックからの攻撃で

シュートまで持っていけるように

なることだったとします。

ゲーム形式のトレーニングだと

どうしても攻撃側と守備側で

シュートを打つ、打たせないという

二つのプレーがはっきりと

出てしまいますので、時には

「あきらかに良くない守備のプレー」

が出てしまいます。

それがつい気になってしまう

指導者がものすごく多いです。

 

チームを良くしよう、

次の試合は絶対に勝ちたい、

と思えば思うほど、

「良くないプレー」があると

それが気になってしまい、

課題が「コーナーキックからの攻撃」

と決めたにも関わらず、

良くなかった守備をした選手に

ダメ出しをし、守備の改善方法を

伝えてしまいがちです。

 

ゲーム中には様々なプレーが

起こりますので、あれもこれも

気になる気持ちは良くわかります。

特に「こうすれば良いのに」

と思うような時は色々と

言いたくなるものです。

 

しかし、最初に決めた課題以外の

プレーについて指摘したり、

アドバイスをしてしまうと、

選手たちはその日のトレーニングの

課題・目的を忘れてしまいます。

 

コーナーキックからの攻撃が

課題だったのにGKのポジショニング

について説明したり、

守備のマークやコーチングなど、

「コーナーキックからの攻撃」

とは違うプレーについて注目

させてしまうと選手たちは

「コーナーキックからの攻撃」

というプレーに集中することが

出来なくなります。

 

GKのポジショニングが悪くても、

守備に問題があったとしても、

その日のトレーニングの目的は

「コーナーキックからの攻撃」

をより良くすることですので、

他のプレーについては

気にする必要は一切ありません。

 

指導者が

「コーナーキックからの攻撃」

だけに注目した指導に専念することが

チームのレベルアップに繋がります。

 

どんなに守備側に問題があったとしても、

「コーナーキックからの攻撃」

に関するプレーの質が高まったり、

「コーナーキックからの攻撃」で

課題となっていたプレーが

改善されれば全て問題なしです。

 

一日のトレーニングでやるべきことは、

選手たちにトレーニングの目的を伝え、

その目的のために集中させることです。

 

やってはいけないことは、

選手たちを混乱させること、

集中を乱すようなことを言ったり

しないことです。

 

以上が、

トレーニングで伝えるべきこと、

伝えてはいけないこと

になります。